すざきんぐといえば2大ミステリー漫画「金田一少年の事件簿」「名探偵コナン」だが、
2017年の暮れにしてこの2大漫画が一気に連載終了&長期休載を迎えた。
(※以下、ネタバレ注意。)
名探偵コナン
あくまで作者病気療養&充電による休載だが…。長期休載と同時に「あの方」正体判明まで唐突に発表。今進んでる事件にどう繋げるんだ…?と思ってたら、明かされ方も本当に唐突だった。
優作が全部持っていくという衝撃展開。しかし、少し事件の話を聞いただけで真犯人を言い当てる新一を超える優作のチート設定は94巻中で揺らぎがなく、絶対的信頼を誇っているのでたぶん確定。このストーリーの中であの方を明かすにはこれしかなかったのかもしれない。ただ、烏丸へ辿り着く伏線が皆無すぎて、いくらファンの間で候補に挙がっていたとはいえ、30巻で一瞬語られただけのキャラなんて一般読者的には記憶すら無いという…。
「ASACA」「RUM」の暗号を分けて推理した意味も無かったのでミスリードだったことになり、それも含めて再び烏丸の存在を示唆してじっくりあの方に辿り着くってのが本来の構成だったと思うんだけど、今回あまりにもぶっ飛ばしすぎて青山先生が倒れる前に焦って描いたんじゃないかとマジで心配になった。新一と蘭が正式にくっつくのと、あの方判明は絶対に自分の手で書きたいという思いがあったんだろうけど。しっかりと無理なさらず充電・養生してください…。
なお、こんな重要局面で灰原は何も知らないままただ少年探偵団と笑いあっているだけだった。夏には庇護さんのキーホルダーをなくして発狂&失神していたし、この1年での灰原のキャラ崩壊が更に激しいぜ…。可愛いからいいんだけど。
金田一少年の事件簿R
こっちは正式に「R」シリーズ完結。そんな記念すべき最終作は「金田一二三誘拐殺人事件」。「怪奇サーカスの殺人」(00年)以来のフミ再登場作!として大いに盛り上がったが…。蓋を開ければ金田一史上でも最も杜撰なストーリーだった…。
一応新選組のイベントでフミが誘拐されて、同姓同名の人物が集められ救出活動を開始。フミは助けられるもメンバー1名が死亡、会話の矛盾から真犯人を一が推理、という大筋はあったんだけども…。
・少し事故が起きれば一発アウトな博打トリック
・その犯人が何故被害者を殺したのかという繋がりも動機告白シーンまで全く語られず
・被害者が悪人だったというのは真犯人が又聞きしただけで事実関係は不明、金田一すら「性格悪そう」と決めつけで推理
・そもそもたまたま同姓同名が呼び集められただけで、関係者同士の繋がりすら皆無
と怒涛の雑描写メドレー。
会話のズレだけで犯人特定という、歴代史上最もまともに推理されてない。
しかも、最重要人物のはずのフミも、主役級の存在感があったのは1話だけで、ようやく辿り着いたら実はめっちゃ好待遇を受けていて遊んでいたという「九龍財宝伝説」のオチを丸々流用ギャグが挟まれ、その後は全く出番が与えられずフェードアウトする始末。どうしてこうなった?
あと最終作ということで高遠も再登場したが、これもかなり駆け足で、事件完結後に真犯人から「完全犯罪」という言葉を聞いて高遠センサーを察知した一が拘置所で問い詰め、最終話で実は裏でプロデュースしていました、と突然発覚。ラストシーンではサブレギュラーのふくろうカフェ店主に変装していたことも突然明かされ、いつもの平行線ネタを呟いて衝撃の完結。
こいつに関しては「薔薇十字架」(12年)で身内が登場して以来自身のルーツを探る旅に出ていたが、結局5年の間で何もわからなかった。というか、1期完結時に一に届いた手紙が結局高遠のメッセージだったことも含めて、作者自身思わせぶりにネタを撒くだけ撒いておいて何も考えてなかったパターンの可能性がでかい。高遠に関しては作者マジで何も考えてなかったんだと思う。
と、色々雑に完結してしまった…。
まあこんな感じで、既存キャラで掘り下げれるものが既になく(一と美雪も1期完結時に一旦キスまで済ませている)、すっかり淡泊な事件のループになっていたし、ジッチャンもそろそろ太古の人になるし、「金田一少年の事件簿」で描くことはもう残されてなかったのかもしれない。合掌。
…あ、これからはアプリ連載の犯人視点漫画、来年別雑誌で連載される大人編をお楽しみにね!!(宣伝)
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