「名探偵コナン ゼロの執行人」感想

2018年4月公開。コナン映画22作目。

安室透が前々作『純黒の悪夢』以来の登場にして、初のメインキャラに抜擢。公安極秘任務ミステリー作品と釘打っており、安室は原作では組織の潜入捜査員としての要素が濃いが、今回は組織ほぼ関係無い公安警察捜査官としての活躍が描かれた。このため、作中でも公安関係の用語や法律が多数登場し、その度に登場人物が説明するという一幕がよく見られた。

ゲスト出演声優は上戸彩、博多大吉。主題歌は再びビーイング外で、福山雅治が担当。




あらすじ

阿笠博士の家で少年探偵団と一緒にドローンの操縦テストに付き合っていたコナンと灰原は、テレビで東京のサミット会場が爆破されたというニュースを見て、一瞬安室が写り込んでいたことを目撃する。最初は事故と思われていたが現場の小五郎の指紋が検出され、公安警察によって小五郎が逮捕されてしまう。裏で公安が動いていることを察したコナンは独自に捜査をスタート。また、妃絵理の事務所のもとに橘境子という女性弁護士が現れるが行動に不審な点が多く、時を同じくして全国各地では家電が暴発する大規模テロが突如として発生し…。テロの犯人と目的とは?安室は果たして敵なのか、小五郎を逮捕した公安の真意とは…?

感想

本格的公安サスペンス

全体的にかなり硬派なサスペンス作品だった。この数年以上はド派手なアクションやドカドカ連続される爆発に圧倒されているうちに話が終わる作品ばかりで、ミステリーに主軸を置いた前作ですらそうなってしまっていたが、今回ガラリと作風変化。妃法律事務所・公安を拠点にして話の大筋は割と淡々と事件や考察、工作活動が展開。各庁の公安も複雑に絡み合う事件背景の中、次々と事件や推理が進み、真相に辿り着いて最終戦に流れていく展開は息つく間も無くただ圧巻

そして、事件が解決に向かい終盤戦と来たところでこれぞコナン映画!なド派手なアクションが炸裂。終盤、コナン達の事件への問題対処が思わぬ方向に飛び火し、最後まで危機が続くという展開は最後まで予測できずかなりハラハラ。最後まで息つく暇もなく見入ったまま、事件もド派手アクションも圧巻のまま観終わった…というのが第一感想。

IoTを用いたトリックもしっかりしていたし、一部のキャラは決して明るい幕引きでもないぐらいシリアスで、公安について詳しく描きまくった世界観もこれホントにコナン?「相棒」間違えて観に来ちゃったんじゃね?と思うほど本格的。正直今のコナンでここまで本格的に硬派な事件モノを描くとは思わなかった。また、映画恒例のド派手なアクションもしっかり描きながらもラストの見せ場まで敢えて出さず、推理が一段落した後の見せ場で思いっきり見せまくることで、今までよりもかなりメリハリがあって見応えがあって良かった

ただ、本来のメインターゲット層の子供にはサッパリワケがわからなかったんじゃないかと思うけど、実際どうだったんだろ…。

少年探偵団、小五郎もいつもよりは活躍

前回は平次・和葉をメインにした為いつものレギュラーメンバーはほぼ賑やかし状態で出番無し、灰原に至っては数カットのみで出番終了というあんまりなことになっていたものの、今回は割とメンバーそれぞれ活躍の場が。

少年探偵団は特に(いつも通り事件のことは教えられないが)ドローンの操縦で日本の危機を救う重要な役回りに抜擢され、博士助手&子供達をその気にさせる役として灰原も大活躍。小五郎も探偵としての活躍はなくとも、釈放後はけっこう漢気溢れる一面も見せて好印象だった。『水平線上の陰謀』以来に、そろそろ探偵としての活躍も見たいけど…。

そして、12年ぶり出演の妃絵理さんは小五郎の無実を証明するために妃法律事務所が捜査拠点になるという、まさかのメインキャラっぷり。法律を説明したり事務員の栗山さん(カワイイ)を使って情報集めたり、公安ワードが複雑に絡み合う世界観を弁護士として整理する役回りにもなっていて、何気に一番の活躍キャラだった。20年以上続くコナン史上で今作が一番弁護士してたんじゃ…

けっこう安室だけに止まらず、それぞれのキャラがそれぞれの活躍を見せていたのが、いつもより見応えがあった一因なのかも。

黒田管理官の正体判明?

安室以外にも、現在原作にラム候補として登場している黒田管理官も初登場。事件を指揮する警察官ながら言動に不審な点があり、実は組織のNo.2ラムなのではないか…と疑われているキャラクターだったが、今回終盤で安室と連絡を取り合っているのが描かれ、黒田=安室の上司=公安ゼロのボスであることがほぼ判明

しかも口パクで「バーボン」と安室を呼んでいたことでラム説も確定?と思わせ…。ここは謎も残しつつ、『異次元の狙撃手』の赤井秀一生存みたいに、大きくはないものの確実に原作展開を先バラししていくのは鮮やかだった。とはいえ原作ではあれからラム候補のまま進展なく、そろそろ原作でも組織絡みの動きを早く…。

安室さんがかっこいい

何より安室さんがかっこよすぎる。

コナン原作では黒の組織スパイ&探偵役として描かれているものの、ここ最近の出番は殆ど、恨んでいる赤井秀一との個人的な対立のみで、『純黒の悪夢』でもそんな感じだった。しかも赤井への恨みは勘違いによる逆恨みで、見てる側としては勘違いで対立したままという若干間抜けなことになってしまっており、FBIほど深く描かれない公安警察というのも若干肩書のみ状態で、凄い人気でメインキャラなのにポジションがイマイチ…という印象がどうしてもあった。

けど、今作で徹底的にこれでもかというぐらいシリアスな公安刑事として終始活躍。最後は人間辞めたアクションも惜しみなく披露。何やってもかっこいい。単純にめちゃくちゃかっこよかった…赤井秀一が絡まなければここまでかっこいいなんて…(そこ?)

というわけで安室さんに普段興味持ってない人でも今作観たら安室さん好きになると思う。事件、アクション、見応え、安室さん全部良かった。総じて『水平線上の陰謀』以来の最高傑作候補




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