アルバムレビュー(改)
SCANDAL
『BEST★SCANDAL』

SCANDALの1stオリジナルアルバム。

No. タイトル
1. SCANDAL BABY
2. 少女S
3. DOLL
4. 恋模様
5. 夢見るつばさ
6. アナタガマワル
7. スペースレンジャー
8. Ring! Ring! Ring!
9. マボロシナイト
10. キミと夜と涙
11. ひとつだけ
12. SAKURAグッバイ
13. カゲロウ -album mix-
2009年10月21日発売 Epic Records 50分47秒 ★★★☆☆

インディーズ時代のシングル「スペースレンジャー」「カゲロウ」「恋模様」、メジャー以降のシングル「DOLL」「SAKURAグッバイ」「少女S」「夢見るつばさ」を収録。シングル多量収録でベストというタイトルがついたのでいきなりベスト盤と一部のメディアで当時誤報されていたが、これはメンバー達が結成して(楽器を持ち始めて)3年の集大成という意味合いらしい。制服姿のイメージビジュアル、デビュー前に全米ツアー、いきなりミュージックステーション出演などソニー新人らしい派手な売り出しが行われた。

 

骨太サウンドな荒削りガールズロック SCANDALの原点

当時デビューからいきなりド派手にプロモーションがかまされてたし、Mステの「DOLL」が衝撃的だったのでそこからSCANDALはリアルタイムで追い続けている。当時のガールズバンドでもチャットモンチーは割と音楽ファンウケのコアな路線だったしZONEはモロアイドルバンドのまま解散してしまったし、ちょっと本格的な雰囲気を漂わせながら適度にキャッチーで適度にポップでロック、可愛い女の子達(※当時RINA以外大学生)がロックロックしてるってのが面白かった。要はビジュアル全振りじゃねえかって認め

というわけでサウンドが凄く骨太ロック。鋭くギターロックを炸裂させていて勢いがたっぷり。逆にいうとかなり荒削りでこれ以降のアルバムに比べても尖ってる感が全開。キャッチーさが濃いものの一種の激しさを押し出していたのはこれ一作のみなので今振り返って聴くと若かったんだなぁ…としみじみしてしまう。…藍坊主の1stにも似たようなこと書かなかったか俺…。そんな初期衝動(?)なのか若さ全開な勢いなのか、バラードが一切なく突っ走っていくのでとにかく痛快な1作

しかし、当時「世界ツアーも成功させた女子高生ガレージ・ロックバンド」という謳い文句で押し出されていたけど、メロディーはその面影ないくらいめちゃくちゃキャッチーでポップだし、全て作家による提供曲(「DOLL」のみバンド名義で西川進と共作アレンジ、作詞には参加しているものの外部介入されまくり)だったし、どこまでが彼女達本来の色だったのかわからない。というか「少女S」でいきなりイロモノ路線に走りだしたりカラーはまだ決めていなかったのかも。2nd以降はいろんな方向性に振り回され触れていくので、SCANDALの歴史を追ってこそ映える原点的なアルバム。最初からある程度完成されていたけど、この硬さのまんま何年も突っ走ってたらたぶんキツかったと思う。

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