名曲語り 第0010回
『SAY YES 〜102回目のプロポーズ〜』/mihimaru GT 

2012年4月25日にデジタルシングルとしてリリースされた楽曲。言わずと知れたチャゲアスの「SAY YES」のフレーズカバーソングである。カバー曲に見せかけ、何とあの有名なフレーズ以外ほぼ全てオリジナルメロ。本家楽曲サイドからはカバー依頼を何度も断られながら、スタッフの決死の努力で遂に発売へ漕ぎつけた決死の一曲である。

 

というわけで、「セイイェス♪」とイントロと大サビで流れる原曲サビフレーズ以外はまごうことなくmihimaru GT王道のミディアムラブバラード。歌詞は「SAY YES」を意識したものにはなっているけど、メロディーの大半は別物と言っていい。しかし、この楽曲単体では希望に溢れたミヒマル王道のウエディングラブソングなのに、サビの最後に「SAY YES♪」とくっつくだけで圧倒的に「SAY YES」に。その有名フレーズに入る前に「迷わ〜ずに〜♪」とさりげなく導入していくのもGOOD。終いには「愛には愛で〜♪」と歌われ始めると、どれだけ他のメロが違ってもそれはもう完全に「SAY YES」である。それだけ全然違う曲なのに「SAY YES」を元ネタドラマ名までインスパイヤして拝借したのも凄いが、裏を返すと「SAY YES♪」が入るだけでもうどう聴いても「SAY YES」になるのは圧倒的存在感である。大ヒット曲ってすげぇ。

というわけでメロはミディアム路線なmihimaru GT王道の泣きメロ with SAY YESな感じだが、歌詞は「SAY YES」の時代に結婚したカップルのその後を描いたような世界観。俗にいうアンサーソングとかいうやつか?…テルマがもう6年前…だと…!?散々別物メロディーとは言ったけど「あの頃のままの気持ち、もう一度この歌に乗せ届けたくて」というフレーズのすぐ後に「迷わずに〜SAY YES♪を持ってくる歌詞はちょいと感動。男女グループという点を活かして男女それぞれの視点でストーリーが歌われるのも面白いし、「月日が経つにつれて『yes』が減った」と曲名を意識したフレーズを用意したりと、全体的なストーリーで最大限に原曲をリスペクトしているのはイイ。ワンフレーズ乗っかるだけで圧倒的に「SAY YES」になるという特性を活かした絶妙なカバー楽曲だった。

 

発売後まもなくベスト盤『THE BEST OF mihimaru GT 2』に収録された他、オールタイムベスト『10th Anniversary BEST 2003-2013』にも収録。ベスト盤で気軽に聴けるので、ここ最近の一連のニュースで「SAY YES」を思い出した方はこちらも是非ともどうぞ。

 

 

詞 ★★★★★(徹底して「SAY YES」という原曲をキーワードにしていてイイ)
曲 ★★★★☆(mihimaru GTはこういう路線も手堅いと思う)
hiroko度 ★★★★★(ウエディングドレスでのPV出演ながら、主役はロッチ中岡と森下悠里という)
miyake度 ★★★★☆(懐メロカバーでラップって好み別れそうだけど、2番でのさりげない参加で存在感を発揮)
SAY YES度 ★★★★★+2(何があろうとそれが乗っかるだけで圧倒的に「SAY YES」!

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