名曲語り 第0010回
『冬がはじまるよ』/Every Little Thing feat.槇原敬之

2007年10月31日にシングルリリース。「恋をしている」の両A面にて槇原敬之(91年)のカバーで、この年に同じエイベックスへと移籍した原曲者本人もコーラスとして参加している。原曲は76万枚を売り上げたマッキーを代表するヒット曲らしいんだが、生まれた年のヒット曲など知る由も無く、正直に言ってこのカバーで初めてこの曲を知った。原曲共々冬といえばこの曲! なヒット曲。

 

1曲目の「恋をしている」が暖かさに満ちたまったりウィンターバラードだったので、それに合わせるかのように軽やかながらまったりほんのりしたアレンジ。それでいてバラードの「恋をしている」とは対照的にアップテンポな曲調なのが当時上手く心地よく聴こえたものだった。マッキーVer.よりキー上げでいかにも声変わり後のもっちー全開な雰囲気に仕上がっていてマッキーのコーラスもそれを絶妙に引き立てている。マッキーの声ってけっこう印象的だから、敢えてメインにはならずにコーラスに徹していたのがバランス良かったんだろうなぁ。もっちーの歌声も声変わりが顕著になった04年以降年々酷くなって「azure moon」「スイミー」では遂に赤ちゃん歌唱法かとまでグダグダになったと言われていたが、この頃からは徐々に回復して丁度いいほんわかポップス具合になっている。後にも先にももっちーの声変わりほんわかボイスがふんだんに活かされた曲といえば「恋文」かこの曲だと思う。

また幸せ全開甘々なラブソングらしく、軽快だがボーカルもアレンジもどこか冷たい冬の始まりを感じせていて、特にイントロが流れると「冬がきたあああぁ」ってな気分になる。流れるような淡い雰囲気がたまらない。タイトル通りに冬が始まる10,11月頃に必ず聴きたくなる曲である。今年の冬には怖いものは何もないかどうかは…わからないが……。

 

8thアルバムの『Door』、今ではシングルコレクション『Every Best Single〜COMPLETE〜』で手軽に聴けるので、ウィンターソング好きは必聴。

 

詞 ★★★★★(幸せ全開で心が苦しくなるような理想のラブソング、流石マッキー)
曲 ★★★★★(やっぱりマッキーは天才ポップス職人)
アレンジウィンター度 ★★★★★×2(冬うた大名曲5傑には確実に入る)
もっちーボーカル度 ★★★★★(歌詞が不思議とすーっと耳に入ってくる、本当に「コワイモノは何もな」さそうな軽快さ)
冬の始まり度 ★★★★★(この曲をふと聴きたくなって再生すると「あ、冬だな」と感じる)

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