名曲語り 第0004回
『無色』/上原あずみ

01年にビーイングGIZAからデビューした女性歌手が上原あずみ。アニメ「名探偵コナン」EDタイアップのデビュー曲『青い青いこの地球に』でビーイング伝統芸いきなりトップ10入り(9位)を達成し、1年後に再びタイアップを受けたのが今作。2作目以降早速トップ20、30で低迷していた売上を再びトップ10(5位)、アルバムもトップ10入りへ繋げた。

 

というわけで20代前半の同年代ならコナン主題歌で馴染み深いであろうこの曲。俺も当時は月曜7時半にコナンを見ていたど真ん中少年世代で、上原あずみがどんな歌手なのかは知らなかったがこの曲自体はリアルタイムで聴いていて、『青い青いこの地球で』と共に好きなコナンソングの一つだった。爽やかな海のED映像で子どもの頃から完全に夏の名曲というイメージでもあった。

しかし歌詞を今改めて見ると驚く。EDで起用されていた冒頭の歌詞でも君がいなくなった(星になった→死んだ)悲しみに暮れ、会いたい想いで日常が絶望に染まっていき、ラストのサビで「君に会わなければよかったと後悔する日さえあった そして今この世界から星空に向かって飛び立つ やっと会えるね」と自殺をほのめかして歌が終わる。死んだ彼を想い続けてあの世へダイブ。もうこれ某カナさんの会いたくて真夏の夜が凍えてるってレベルじゃない。爽やかな曲調とED映像のイメージの裏腹にこんなすげぇ歌詞だったんだな…。元々この上原あずみさん自体が相当なメンヘラ(精神不安定?)な方だったようで、他の曲の歌詞も絶望に近く暗いものばかりだった(07年に始めたブログもそんな感じだったらしい)。限界ギリギリの壊れそうな儚いボーカル(歌唱力は無さすぎで既に壊れているがは初期の浜崎あゆみに似ていてよく「あゆのパクリ」とも言われていたが、絶望を描いた歌詞は確かに昔のあゆに通じるものがある。

だが少年向けアニメでっていう話は置いておくにしても、この死んだ恋人への絶望で自殺する歌詞は「ピアノソナタ」の事件で犯人を自殺させて以降コナンが罪の意識に追われ決して犯人を自殺させなくなった「名探偵コナン」よりも「金田一少年の事件簿」の方が合ってるんじゃとふと思った。「オペラ座館殺人事件」とかのラストで流れたら感動的かも。誰かMAD作ってくれませんかね…。

 

上原あずみはこの曲とアルバムでトップ10ヒットを飛ばすもそこから一時完全リリース停止。しかしビーイングご用達hillsパン工場でのライブは続けており、「もう一度リリースさせて!」とラブコールを続けた結果、この会社の伝統であるリリース停止=完全終了という恒例を打ち破り05年12月まさかのリリース再開。2ndアルバムもリリースするが…そこからまた再び停止し、ブログを残すが2011年3月、GIZAは彼女の解雇を突如発表。一部週刊誌では愛人詐欺疑惑と報じられ、マジでどうなったんだよ…と思いながらも真相は謎のまま、Amazonカタログ抹消という異例の措置まで取られひとまず彼女は音楽業界から消滅した。「無色」は「無職」というネタになり、あの人は今状態にビーギザファンの間でなりつつあった最近、先週彼女の現在について衝撃の一報が。

AVデビュー。いや、よく「売れなくなったら脱いでAV行きじゃね?」とか冗談で言ったりしていたけど…。実際最近見たのはSoweluや玉置成実みたいなセミヌード見せたぐらいなもん。マジで一番凄惨な末路に行くとは…。数曲しか知らないとはいえ子どもの頃親しんだアーティストが実際こうなると残念である…。

 

★★★★☆(徹底して暗いが妙に心に来る)
曲★★★★★(ド暗い歌詞に爽やかなメロディーが不可思議で絶妙)
コナン度★★★☆☆(馴染みはあるが間違いなく合ってない)
夏うた度★★★★★(イメージって怖ろしい しかし9月リリースなので夏うた狙いは間違いないかな)
震える度★★★★★×5(西野カナで震えるとか言ってる人は是非聴いてほしい)
末路衝撃度★★★★☆(「AV行き」という実際例を初めて見た)

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