ドラマ版「金田一少年の事件簿」歴代全主題歌レビュー

歴代4シリーズで演じられてきた「金田一少年の事件簿」。その全てがジャニーズ主演だったので勿論主題歌も主演したジャニーズが歌っていた。勿論主演やスタッフが変われば作風も変わるというわけで。第4シリーズ単発ドラマ化記念、これまでの歴代シリーズの主題歌を振り返る。因みに、第4シリーズの山田涼介を除くとシングルCDとして発売された主題歌は嵐の「時代」のみである。

1st ひとりじゃない / 堂本剛
1995年夏期、12月 第1シリーズ第1期主題歌

95年4月に放送された「学園七不思議殺人事件」がいきなりすこぶる好評で、7月から連ドラがスタート。当時デビュー前のジャニーズJr.でファン以外も知らない者はいなかったKinKi Kidsの堂本剛が主演するだけあって大きな話題になり大ヒット。全話が20%を超え、12月にはSPドラマが放送された。演出の堤幸彦、脚本の深沢正樹にとってもこれが出世作となった。その主題歌も剛がソロで任された。そんなわけで今でも堂本剛版って金田一少年の中でも未だに「金田一少年といえば堂本!」というくらい相当に根強い人気なんだけど、当時4歳だった俺にとってはアニメ版の印象の方が強くてね!こっちの方はジェイソンとか怖くて長年全く観れずにいましたすみません。高校時代にようやく少し観れるようになり、去年大半見通す…と俺成長したなぁ…(しみじみ)。そんなホラーミステリーだったドラマを和ませるように主題歌は爽やかにポップ。曲だけ聴いた時は最初合ってないんじゃないかと思ったけど、事件から平和が戻るエピローグに思いの外ハマっていた。バンドサウンドに確かな剛の歌唱力が乗っかる指折り屈指のジャニーズポップス。本当に当時のKinKi Kidsは凄くいい曲貰ってたなぁ。

★★★★★

2nd Kissからはじまるミステリー / KinKi Kids
1996年夏期 第1シリーズ第2期主題歌

堂本剛版があまりに好評だったため全く同じキャストで第2期が制作。総集編も2度放送されて、97年には遂に映画化され完結した。映画版はDVD化されていないので子供の頃テレビで観たぐらいで記憶が無いけど、原作でも決着していない一と美雪の関係にもしっかりケリをつけたとか何とか。この2シーズンで当時の最新作「墓場島」までの全事件(漫画版)をドラマ化完了。特に「雪夜叉」「墓場島」は原作を越えるクオリティだった。でも「金田一少年の殺人」の着ぐるみブシューッや「怪盗紳士」の顔無し&メッタ刺し&目潰しとかは今でもスプラッタすぎて怖いと思うけどね…。基本的にグロは嫌いな人間なのでまだこの剛版は全ての話を観るにはまだ至ってなかったりする。主題歌は今回はKinKi2人で。「硝子の少年」に先駆けた山下達郎提供作にして異色のラップ曲。前作がポップで和ませていたのに対し、ポップでもタイトル通りどこかミステリーで奇妙さを残すように。どことなくポップに奇妙であんまり王道では無いんだけども不思議と耳に残る。堂本金田一は好き嫌い別にしても有無を言わせないパワーがあった。KinKi Kids初期には欠かせない一曲である。この2曲共に当時は未CD化だったが、97年のデビューアルバム「a album」に収録された。

★★★★☆

3rd 時代 / 嵐
2001年夏期 第2シリーズ主題歌

原作の連載が完結して約1年で、5年ぶりに金田一少年をリメイク。当時新人の嵐マツジュンが2代目金田一一に起用された。SP単発「魔術列車殺人事件」好評から連ドラ化、の定着パターンを辿ったが、今作も悪い評判ではなかったものの堂本剛版の根強い超人気には勝てずにパッとしないまま終わってしまった。マツジュンが気取りすぎという声もあったけど、美雪(鈴木杏)の性格設定があまりに幼すぎたのが最大の敗因だったと思う。チンピラ高遠は…。嵐は当時既にデビューしていたので普通に嵐の最新シングルが主題歌に。先代シリーズとは打って変わってロック色が強いハードさで、金田一少年のサスペンス感を彩っている。当時の嵐にしても冒険作だった。しかし…決して悪くはなかったのになぁ。マツジュン金田一。

★★★★☆

4th ツキノミチ / KAT-TUN
2005年7月 第3シリーズSP主題歌

2005年の原作短期集中復活の勢いで再びドラマ化。当時「ごくせん2」出演で大ブレイクしていたKAT-TUN亀梨が3代目に選ばれた。だが…コケた前作を越えようと更に新たな金田一を追求しまくった結果、一がジッチャンコンプレックスのチャラ男に大変身してしまい、事件にも及び腰の設定に…。これが生涯最初の事件で事件中に美雪が大怪我をし、そこから一が謎に立ち向かい始める…というストーリーになっていたが、原作ファンからはあまりにも不評すぎて一応18%も取ったのに連ドラ化されず、DVD化もされない半ば黒歴史シリーズになってしまった…。当時KAT-TUNはCDデビュー前ながら初めて単発放送から主題歌が用意された。ラストシーンでバックでかかっていた、フッツーのバラード…。いや曲単体では凄くいいと思ったんだけど。バックでひっそり流されたという扱いがあまりよろしくなかった。これが毎週連ドラで流れていたらまた変わっていたと思う。こうして亀梨版は初めて連ドラシリーズにならず、主題歌のこの曲も翌年のデビューアルバムにも収録されなかった。故に未だ未CD化。そんなにもう消したかったのだろうか。アレはアレで斬新で面白かったけどなぁ、あまりに最先端すぎたか。うん。この数ヶ月後に彼が修二と彰としてミリオンヒットを飛ばしたのを考えると何も言えねぇ。

★★★☆☆