DEEN シングルレビュー~1993-1998~

今や東京へライブを見に行くほどファンになったDEEN。リクエストもあり、ついに初の大長編ディスコグラフィーを始動!あまりに長いので、分割してデビューから『PERFECT SINGLES+』DISC1収録期の98年まで。ちょうどDEENがトップ10ヒットを放っていたギリギリまでの時期である。

1st このまま君だけを奪い去りたい
1993年3月10日発売

ポケベルのCMソングに起用され初登場16位から徐々にランクアップ。ミリオン&最大ヒットを記録したデビュー作。今でも90年代の懐メロとしてテレビでもよく取り上げられる有名曲である。作詞:上杉昇(WANDS)、作曲:織田哲郎というビーイングコンビによる提供。90年代の織田哲郎の勢いは本当に半端ない。「奪い去りたい~♪」のサビは今や本人も出ない高らかに歌えただけで気持ちいい。よくこの曲だけテレビで扱われるからというのもあるけど、まさに時代を超えた名曲。しかしビーイングユニットらしくメンバーはかなり流動的で、「この曲に導かれながらDEENは結成された」とよく話すもこの時点で固定されたメンバーは池森秀一と山根公路の2人だけで後はデビュー直後にギター倉澤とドラム仲居が追加。田川さんは後からの加入だった。また声もかなり若くて今はキーが下がったこともあって一瞬誰…?とも思ったりする。

★★★★★

2nd 翼を広げて
93年7月17日発売

ミリオンから間髪入れずリリース。この年開幕したサッカーのJリーグの日テレテーマソング。最高5位ながら60万枚のヒットを飛ばした。作詞は坂井泉水でZARDとしてのセルフカバーが08年にシングルリリースされており、それがコナン映画の主題歌になったので今の世代(って毎度俺どの世代なんだよ…)はそっちだけ知ってるかもしれない。サッカーの試合を盛り上げる壮大なバラード。大ラスのコーラスには大黒摩季や生沢祐一、宇徳敬子などビーイングの大物コーラス陣が集結しているらしい。「感動のラスト」にジャストピッタリな名曲で、24時間テレビマラソンのラストなんて合うと思う。ライブではコーラスパートが観客の声になり、ラストの「愛してたよ~♪」を池森さん一人で締める感動のラストが最近の定番。なぜか1stアルバムには収録されなかった。

★★★★☆

3rd Memories
93年9月22日発売

テレ朝系の深夜ドラマシリーズのネオドラマ枠主題歌。C/Wでは主流というか元々のメンバーの趣味だったというブラック全開のダンスナンバー。1st、2ndと王道バラードが続いてヒットしたということでビーイングが実験的に出してみたのか。正直上2作を曲がよくて買ったDEENファンぐらいだと引くぐらいのギャップで、続けて45万枚もヒットしたのは完全に勢いだったと思う(いや当時知らんけど)。これだけ異色作なので後追いで一風変わった曲として聴いてるけど、このままこれが主流になっていれば…ファンにはなってなかった、というか続いてなかっただろうなぁと。ラテンアレンジでセルフカバーされた「キセキ」Ver.は何気にかなりのお気に入りである。

★★★☆☆

4th 永遠をあずけてくれ
1993年11月28日発売

デビュー曲に続くポケベルCMソング。ジャケットに初めてメンバー表記がされた。デビュー曲に続けとばかりに全開売れ線どバラード。クリスマスソング…になっているが、商業全開サウンドゆえかあまり情景が見えてこない。しかし楽曲の覚えやすさは抜群で、タイアップとタイミングさえ合えばこれがミリオンヒットになっててもおかしくはない勢いを感じる。「キセキ」Ver.ではアカペラアレンジで、こっちの方が情景的で心に響く。

★★★★☆

5th 瞳そらさないで
1994年6月22日発売

ポカリのCMソング。当時ビーイングが絶頂を極めていたタイアップで2度目のミリオンヒットを記録。1stアルバムもミリオンを達成し、グループの命運を大いに変えることになる。織田哲郎「いつまでも変わらぬ愛を」、ZARD「揺れる想い」に代表されるポカリソングらしくひたすらに爽やかなサマーソング。ここら辺ビーイングはかなり徹底している。あまりにも爽やかすぎて、FIELD OF VIEWがやりそうというか(彼らも「突然」でポカリCMソングだった)、混同される一つの原因にもなったのではないかと。しかし、この曲もデビュー曲に続いてミリオンヒットしたのに今やテレビで紹介されるのは「このまま」一色、もはや「このまま」一発屋な勢いで紹介されるのはなんでだろうか…。セルフカバーは「キセキ」より、「クロール」に収録された'09+Ukulele Styleが開放的でいい感じ。

★★★★★

6th Teenage Dream
1995年3月27日発売

メンバー入れ替えを経て、4人のDEENとして本格的に始動。作詞:坂井泉水、作曲:栗林誠一郎の王道ZARDコンビ提供だが以前よりシンプルにバンドサウンドが鳴るようになっている。主人公とヒロイン、もう一人「あいつ」が登場するドラマティックな仕上がりの泣きバラード。DEENシングルナンバーの中では物語的というか、一番感情移入して聴ける曲なんではないかと思う。「キセキ」では幻想的なアレンジが施されていたけど、ここはライブで披露されている通りシンプルなバンドサウンドでのリメイクが聴きたいな。

★★★★☆

7th 未来のために
1995年6月19日発売

「瞳そらさないで」以来2度目の1位を獲得。顔の見えないDEENがMステでテレビ初出演を果たし、売上を少し持ち直す大ヒットに。50万枚を売り上げた最後のシングルなので一般的には最後のヒットともいえる。爽やか路線での人生応援歌。作詞:池森秀一、作曲:池森秀一・宇津本直紀初自作曲だが今までC/Wで趣味のブラック路線をやりまくってた池森さんがいきなり合わせてきたと思えず、宇津本さんの存在感が大きいのかな?サビ最後の「ひたむきな~心~離さない~♪」のとこは強く背中を押される。2011年の武道館ライブでは、"震災応援"をテーマに一番最初に歌われて感動的だった。

★★★★☆

8th LOVE FOREVER/少年
1995年12月11日発売

う~ん…。このシングルは…2ndアルバムの最初と最後なのに何故かパッと出てこない。2ndアルバム自体が地味だったからか、リリースの並びで聴いててそろそろビーイング的なロックサウンドに飽きてきていたからか。「少年」はこの夏に向けて今聴いたらかなりよかったので、思い入れが湧いてきたら書きます。

測定不能

9th ひとりじゃない
1996年4月15日発売

アニメ『ドラゴンボールGT』EDテーマとしてヒット。再び30万枚を越えた。…と同時に、当時OPだったFIELD OF VIEWと更に混同される原因に…。作曲:織田哲郎によるかなり前向きなポップロックナンバー。作詞の池森さんも爽やかさが板についている。個人的には原曲より、「キセキ」アレンジによる今もライブで演奏されているロックバンドVer.の方が力強くて好き。やはりこの曲でライブが盛り上がる。

★★★★☆

10th SUNSHINE ON SUMMER TIME
1996年7月1日発売

「瞳そらさないで」以来のサマーポップ。あれより夏全開に狙いに行ってる感全開で、初めて聴いたときはメロディーがTUBEか山下達郎かと思った。作曲:宇津本さんのメロディーメイカーっぷりはさすがだがさすがにくどいような気はする。実際不調だったようで、トップ5安定だった売上が初登場10位、いきなり10万台へとガタッと下がった。

★★☆☆☆

11th 素顔で笑っていたい
1996年8月5日発売

最後の織田哲郎提供ナンバー。ミディアム調でキャッチーではないが、すっと心に沁み入ってくる。タイトル通り「(こんな時代でも)素顔で笑っていたい」と歌っていて、今のお疲れな現代こそ時代に合ってるのではないか。疲れた時に聴きたくなる、隠れた名曲である。

★★★☆☆

12th 君がいない夏
1997年8月27日発売

1年以上の充電期間を経てリリース。当時新人だった小松未歩が作詞作曲した夏のミディアムバラード。アニメ「名探偵コナン」EDテーマとして有名だろうか。使用期間が13話と短いものの怪盗キッドが初登場した頃だったので、妙に印象深い。当時のビーイングとしては「アニメタイアップを力を入れて子ども達に将来ファンになってもらう」方向にシフトしていたらしいが、俺もDEENといえばこの曲だけずっと好きで高校2年でファンになったから正解だったんだろうな…。ビーイング的な作られたサウンド感がなく夏の切なさを存分に感じる、夏屈指の名曲。子供の頃からの思い入れ込みだとこの曲が最強だ。しかし翌年のベストに収録されたためオリジナルアルバム未収録で、ライブでも滅多に披露されないらしい。大名曲の扱いが果てしなく謎である。

★★★★★

13th 夢であるように 
1997年12月17日発売

ゲーム『テイルズ オブ デスティニー』主題歌。ついにトップ10は逃したが20位前後でロングヒットし、最終的には久々に20万枚まで売上を伸ばした大ヒット曲。現在もゲームファンからは絶大な人気で、友達の間でもDEENといえば真っ先にこの曲が挙がることが多い。それほどの人気曲なので今のライブでもこの曲は必ずキー下げせずに歌われる。俺もベタながらこの曲が一番好きかな。他の曲に比べてアレンジ(作曲:DEEN、編曲:池田大介)も勢いも迫力が違う

★★★★★×2

14th 遠い空で
1998年2月18日発売

ベスト盤先行シングル。ほのぼのしたポップソング。ベスト先行だったので大きく売上を下げる不調だったらしいが、確かに地味に気持ちいい曲でヒットする感じではないかもしれない。しかし名盤『The DAY』への序章のような路線続きの名曲満載期だったのに、全部オリジナルアルバム未収録とは勿体なさすぎる。

★★☆☆☆

15th 君さえいれば
1998年5月27日発売

作詞作曲:小松未歩。ベスト後のリリースで、シャープなロックサウンドで新境地を見せ新たなDEENを感じさせた。キャッチー+かっこいいロックバンドサウンドという最高峰の出来で、そんな曲続きのアルバム『The DAY』は最強の名盤だった。やはり池田大介は90年代ビーイングで最高のアレンジャーだなぁ。アニメ『中華一番!』OPで、カラオケに行くとどの機種でもアニメ映像が出るのでDEENファンでない友達と行くと世代的にかなり盛り上がる。なのでカラオケでよく歌う曲は「夢であるように」でなくこっちだったりする。ライブではたまにキー下げ(「キセキ」Ver.?)で披露されるよう。

★★★★★

16th 手ごたえのない愛
1993年3月10日発売

前作以上にロックバンドをアピール。かなりハードなサウンドのロックナンバーに。それでいてキャッチーでバランスがとてもいい。しかしこれも暗いイメージの曲でアニメタイアップで持ち直した前作からまた下げたので、この路線も結局これで終わりになってしまった。もう少しこんなロックなDEENを見てみたかった。

★★★★☆

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