B'z シングルレビュー~1999-2012~

25周年ベストアルバムリリース記念。

26th ギリギリchop
1999年6月9日発売

アニメ『名探偵コナン』OP。当時ビーイングとか知らない少年だった俺としては遂にコナン主題歌に大物が舞い降りた!っていう感じだった。これまで…というより歴代最高にバリバリハードなロックナンバー。表面的に聴いていたら全く噛み合っていないようなタイアップだが、当時小学2年でリアルタイムでコナンを観ていたのでそんなに違和感はなかった。今までのOP映像と「ギリギリchop」のPVを切り貼りした手抜き方式映像は違う意味で衝撃だったが…。そのバリバリな勢いで稲葉さんの高音とシャウトが凄まじく、大サビ前の叫び殴るような絶叫は子供心にただただ驚嘆。ここまでハードで1位獲れてしまうのもB'zぐらいなもんだろう。このバリバリっぷりが病みつきになり、シャウト絶叫もカラオケでやってみたくなる一番の曲。2nd beatの「ONE」 も劇場版コナンの主題歌だったが、銀幕が似合う壮大なバラード。何度も観たシリーズだったしコナンベストに入っていたので馴染みのある曲だった。これも極上の名曲。

★★★★★

27th 今夜月の見える丘に
2000年2月9日発売

ドラマ『ビューティフルライフ』主題歌。キムタク&常盤貴子のコンビで視聴率40%越えした伝説の大ヒットドラマ(…と共に、ドラマ視聴率全盛時代の大きなピーク…)でいつも印象的に流れていて、久々で最後のミリオンを記録。同系統の「Calling」や「ALONE」に比べるとだいぶライト寄りながら熱いロックバラード。暗い和風なところで歌っているPVもかっこいい。ただドラマの方はT.M.R封印中の西川貴教が出ていたりしてたのに当時小学生には話が重たすぎたのか、イマイチ話を覚えていないんだよなぁ…。売れるのも当然な名曲だが、B'zがシングル出す度にキレッキレだったのはここまでだったかな…?

★★★★★

28th May
2000年5月24日発売

打ち込みを久々に押し出した暗いバラード。重苦しさを感じる数年前の闇堕ち時代(命名、俺)に通じるものがあるが、な~んかどこか軽くてもやっとしているような…。なんだろう、初めて聴いてから数年経った今でも良さがよくわからない曲である。特にこれまでが名曲続きの連発だったので流れで聴くと妙に停滞感を感じてしまった。

★☆☆☆☆

29th juice
2000年7月12日発売

アップテンポなゴリゴリロック。今までに比べると覇気が薄いような気がするが、ライブではめちゃめちゃ盛り上がる曲らしい。後追いで聴いた割に妙に印象に残っているのは恐らく中学時代に耳にしたエロソングだったからで…。今振り返って聴くと他の圧倒的な存在感を放つ同系統の曲に比べて小粒な「いつものB'z」感が否めない。

★★☆☆☆

30th RING
2000年10月14日発売

ドラマ『明日を抱きしめて』主題歌。「May」を加速させたような重苦しいホラーの空気さえ感じるバラード。どうにも25周年ベストで音が良くなろうがこの2曲は地味という印象から抜け出せない…。

★★☆☆☆

31st ultra soul
2001年3月14日発売

テレ朝世界水泳テーマソング。どこか冴えない路線が連作されていた流れでウルトラソウルって。ウルトラって!とネタにされていたら突如大ヒット。ウルトラソウッ!ハァイ!!はB'zを代表するフレーズとなり、同じ年のMステスーパーライブでのそのフレーズに合わせた特効花火演出でB'z=年末に爆発というイメージも世間に根付かせた。曲自体覚えやすい応援ソングで何よりハイインパクトなので後世にもしっかりと語り継がれ、故にラルクの「READY STEADY GO」以上に今や90年代ミリオン楽曲を差し置いて1番有名ソングになってる んじゃないだろうか…たぶん。因みにサウンド面では打ち込み。後にリメイクされて2011年のアルバム「C'mon」では生音バンドバージョンも作られたが、長年聴き続けてきたからか打ち込みの方がかっこよく聴こえる。

★★★★★

32nd GOLD
2001年8月8日発売

ウルトラソウルが闘いを奮わせるなら、こちらは戦い終わった後を称える熱いバラードの応援歌。何となくNHKのオリンピックのテーマソングに起用されそうなイメージがあるような。これといった思い出があるわけではないけど何かが終わった時には聴いてアローン大団円したくなる一曲。ウルトラソウッのインパクトが強すぎてあんまり後世に伝えられてないのが惜しい…。

★★★★☆

33rd 熱き鼓動の果て
2002年6月5日発売

最初はアコースティックにゆっくり始まって、2番からバンドインして激しくなるという徐々に沸き立ってくる爽快応援ロック。こういうのはDEEN「夢であるように」「MY LOVE」みたいなバラードの特権かと思っていたが…これは熱くてカッコイイ!B'zシングル屈指の熱さ×爽やかさ。スポーツタイアップというのもあって夏にランニングしながら聴きたい感じ。PVでは1番はスタジオレコーディング風景から始まり、途中で中断してTAK「屋上でやりましょっか」 サポメン「昔(外でやったら)警察来ちゃってさ」とメンバーが会話しながら2番からは観客のいる屋上ライブにチェンジ! という転換具合も自由で気持ちよかった。

★★★★★

34th IT'S SHOWTIME!!!
2003年3月26日発売

テレ朝スポーツタイアップ。「ultra soul」では水泳限定だったタイアップがまさか同じ局で4作連続で続くとは…。テンション高いタイトル通りに「ギリギリchop」以来に激しいハードロックナンバー。Mステスーパーライブでもサビに合わせてハードな爆発×2をかましていたのでB'zMステ特効爆発伝説もここに極まり。ものすんごい攻撃的な曲だったので中学当時ベストで聴いた時は「うおおかっけええええええ!!」と思っていたんだが…今聴くと打ち込み全開でベタベタしたドラムが不釣り合いでどうにも…。その点はアルバム『BIG MACHINE』に収録されたバージョンで全て生音アレンジに差し替えられて迫力が段違いに増しており、数年後に今更聴いたら衝撃。何故シングルにしなかったし

★★★☆☆

35th 野生のENERGY
2003年7月16日発売

ジャッジャッジャッジャッジャ♪とアコギのリズムで始まるいつにも無く陽気なポップソング。言わば「Easy Come,Easy Go!」の正統派続編のような軽快な応援ソングで、今まで孤独で立ち止まっていたのに「君」が現れて世界が開いていくという解放感溢れる歌詞がいつになく励まされる。最初は前作からのテンションの落差にナンダコレと思っていたけど、こういう曲も大学後半になってから身に沁みるようになってきたなぁ…。PVは冴えない教師だったのに突如歌いだして生徒の人気者になるグレートティーチャー稲葉と普通に店員のおっさんだと思えばギターをジャカジャカ鳴らしだす楽器屋店員TAK MATSUMOTO のコント具合が面白い。今となっては「IT'S SHOWTIME!!!」よりこの曲の方が好きかもしれない。色々と感性が変わる25周年ベストマジ25周年。因みに言わずもがなテレ朝スポーツタイアップ。

★★★★☆

36th BANZAI
2004年5月5日発売

04年はソロ活動専念(稲葉がソロ、TAKがTMGというバンドを結成)と発表していたが、ひっそりとB'zでリリース。なんとテレ朝スポーツタイアップじゃない!あくまでソロ活動の合間という事なのかいつになく超ストレートロック。勢いに軽く身を任せよ!みたいな。そういう意味では次年以降のストレートロック路線シングルの走りにはなっていたのかも?そしてその曲自体はサビ後の「あなたと私でさぁッ!」「明日のためにッバンザイ!」の三・三・七拍子高速ラップがインパクト抜群。丁度同じ年のTOKIO「はっしっれっはっしっれッ!」(by「自分のために」)でも三三七拍子取り入れていたし地味に流行っていたんだろか…?あとPVにお笑い芸人のまちゃまちゃが出演していたとして、翌年にエンタ芸人の魔邪としてブレイクしていた頃に少し話題になった。

★★★☆☆

37th ARIGATO
2004年9月1日発売

「GOLD」以来の応援ミディアムバラード風ロック。しかし歌詞は「野性のENERGY」みたく踏み出せずにいる主人公視点になっていて、以降もB'z応援系ソングは「内省」がテーマになる曲が多くなった。サビでは力強く「今踏み出そう」と歌い上げていて、2番終了後にはいきなりテンポアップして「ありがとう~♪」と爽快ロック風になるのは歌詞通りに突き抜けていて気持ちいい。04年はやや小粒気味ながら2曲とも良い曲揃いだった。因みにこの年は「BANZAI」ではなくこちらがスポーツタイアップになった縁でMステのスーパーライブで歌われていたが、バラードなのにテンポアップする部分でいきなり特効爆発するのはやや無理があった感がした。…というか「BANZAI」の方がスポーツタイアップ向きだったような…

★★★★☆

38th 愛のバクダン
2005年3月9日発売

個人的に中学生になってCDを再び借り始めたのがここから。所謂本格的なB'zリアルタイム開始はここからになる。「BANZAI」に続いて超ストレートな爽快ロック。ここまでの年齢で「愛のバクダンもっとたくさん落っことしてくれぇぃ」とか「アン、ドゥ、トロゥッ!」とか勢いよく激しく叫べるのはB'zぐらいなもんだろう。当時はCMタイアップになったぐらいでそこまで大きなヒットではなかったが、中学の友達の間ではよくネタになっていた。2012年に出演したMステスーパーライブでも歌っていたのでライブでは超定番曲にまで成長していたんだろう。「ultra soul」に次いでカラオケ頻出B'z曲

★★★★★

39th OCEAN
2005年8月10日発売

ドラマ『海猿』主題歌。映画が大ヒットしてからのドラマ化で、やたら壮大で金がかかっていたドラマ…のような記憶がある。姉貴が全作品観に行くぐらいハマってた逆俺は殆ど内容覚えてないがドラマの世界観を描いた壮大なラブバラード。久々にロングヒットして50万枚越え、O社年間トップ10入りを果たした。本当に絶妙なタイミングでCD借り始めたなぁ俺…。ベスト盤収録を経てオリジナルアルバムにもリミックスで再録され、楽器の音に重みが増している。巡視船で歌っているPVも併せてダイナミックでまさしく「ヒット曲」と言えるヒット曲。

★★★★★

40th 衝動
2006年1月25
日発売

アニメ『名探偵コナン』OP。当時コナンを観ていた(当時"までは"観ていた、というべきか…)ので馴染み深い一曲。あのタイアップはそんなに合ってなくても映像補正で良い印象に残るから不思議である…。「BANZAI」系譜シングルここに極まれり、的な超疾走ロック。このハイスピード感がいつ聴いても飽きなくてたまらない。「ウルトラソウッ!」ばりに「しょ~どぉっ!」とサビ最後にシャウトするのもいやはやB'zインパクト。「書道」と「衝動」を掛け合わせたギャグPVも必見である。

★★★★★

41st ゆるぎないものひとつ
2006年4月12日発売

映画『名探偵コナン 探偵達の鎮魂歌』主題歌。映画の方はこの年からあまり観なくなってきて、この作品は未だにスルーしてしまっているなぁ…(歴代キャラ総登場させた割にしょぼかったとか、犯行の動機が歴代クラスで超展開だったのは知ってる)。アコギから始まる人生応援系ミディアムロックバラード。タイトル通り自分には何もできないけど「ゆるぎないものひとつ抱きしめたいよ」と歌う曲で、「ARIGATO」みたく内省的な歌詞になっている。そう言われれば全て就活に置き換えれば凄くしっくり来るかもしれない…。出た時はあーバラードなんだなーぐらいだったけどここ最近になって歌詞がグッと沁みるようになった。やっぱり年齢だね。いつもより抑え目なバンドサウンドなのもいい。

★★★★☆

42nd SPLASH!
2006年6月7日発売

売れ線を外したエロロック路線。05年からここまでがかなりヒット戦線真っ只中の流れだったのでおおういきなり外してきたな…と当時から思っていたが、初のDVD内容違い4種発売をかましたので枚数的には06年シングルでは一番売れた。悪い曲ではないんだけど「愛のバクダン」からの流れが圧倒的すぎた分もあってかなり小粒

★★★☆☆

43rd 永遠の翼
2007年5月9日発売

映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』主題歌。某当時都知事脚本による戦争モノという事でそこそこ話題になっていた。そんな映画に忠実に合わせた壮大なバラードだが、ストリングスにバラードってただでさえ「OCEAN」っていう名作があるのにあまりにも単調だったような…。…そしてJ-POP全体に売れ線=ストバラという風潮が強くなり始めたのもこの頃ですかね…05年以降のシングルでは一番印象に残ってない。

★★☆☆☆

44th SUPER LOVE SONG
2007年10月3日発売

文字通りSUPERラブソング。こんなドストレートなタイトルで1位獲れるのもB'…(以下略)「相乗効果でよくなろう!」のサビでガンガン攻め通すマッチョなパワーソング。稲葉イズムが炸裂した歌詞も面白いが全体的に激しくがなり気味。カラオケで歌うとキーを除いても喉酷使して潰しそうである。そして喉といえば厳重な管理をしている事で有名な稲葉さんだが、この曲をSUPERLIVEで歌った時は曲が終わるまで激しくシャウトしていたのに最後にむせてシャウトが途中で終わってしまい、そこから4年もテレビに出なくなったので、今思えばそういう理由だったのかな…とも思えてきた。高校1年の秋~年末を思い出す意味では思い入れは深い一曲。

★★★☆☆

45th BURN -フメツノフェイス-
2008年4月16日発売

資生堂の化粧品CMソング。それもあってか勢いとジャケットのキラキラっぷりが増していて、これはいつもより売れるか…と思って期待していたらそうでもなかった。それでもこの年にやったULTRA Treasureのファン投票では5位を獲得していたりする。アップテンポでキャッチー、適度にロックなラブソングというB'z王道。こう書いていると特筆の無い曲のように思えてしまうが、それでも印象深いのは高校補正とかいうチートだろうか。

★★★★☆

46th イチブトゼンブ/DIVE
2009年8月5日発売

13年ぶりの両A面シングル。「イチブトゼンブ」の月9主題歌タイアップで「OCEAN」以来久しぶりにロングヒットを記録し、8週連続O社週間トップ5入りはB'z初という快挙を達成。年間トップ10にもランクインした。その割に37万枚は低いように感じたが…こればかりは時代ということで。

イチブトゼンブ
ドラマ『ブザービート~崖っぷちのヒーロー~』主題歌。山ピーと北川景子の夏の超王道のラブストーリーだった記憶はあるが、当時受験勉強真っ只中だったのでまともに観れなかった…。それでもこのドラマの宣伝やちらっと観た本編中で流れていたこの曲のイントロはインパクト抜群。気が付けば勉強中もイントロがエンドレスリピートしまくっていた…。最初はいきなりポップに開き直りすぎなんじゃないかとも思えたがここ数年であった「いつものB'z」を全く感じず、実に気持ちよかった。王道に応えながらここぞという時にヒットする曲を描くのは本当に職人アーティストだなぁ…と改めて思った。
★★★★★

DIVE
こちらは車のCMソングとして夏シーズンに「ララララライ♪」とずっと流れていた。これは当時人気を極め終えていた○崎マーケットのオマージュ…爽快ロック。アレンジャーが寺地秀行になった事でだいぶ演奏がライトになってて、最初は軽くなったかな…?と思ってたけどむしろどことなくあった暑苦しさが薄れてワイルドさが増したのかも。車タイアップだけあってドライブで流したい一曲。あとこの曲に合わせて作られたけいおんMADもかなりハマっていて印象的だった。
★★★★☆

47th MY LONELY TOWN
2009年10月14日発売

当時封鎖から解禁されたばかりの廃墟の軍艦島で撮影したPVが話題になった旅立ち系ロック。いつも通りの適度にキャッチーでロックに加え、廃墟のPVが相まってか切なさや哀愁があり新たなB'zを感じさせる。寺地サウンドは当時どうにもポップさに違和感があったが、「イチブトゼンブ」「DIVE」に続いて新たなB'z像をしっかりと繋げたので良かったんだと思う。

★★★★☆

48th さよなら傷だらけの日々よ
2011年4月13日発売

ペプシコーラCMソング。2010年はソロ活動活発年間でデビュー以降初めてCDリリースが無かった。そこから殻を破っての1年半ぶりのリリースで、CMにも本人出演、MステにもSUPERLIVE2007以来出演で大々的に復活をアピールした。その復活第1弾にピッタリな新たな一歩を励ます応援ソング。なおこの発売時は東日本大震災が起きた真っ只中で、3月30日発売予定から自粛延期していたのだが、不思議と震災のショックから日本が復興へと一歩踏み出し始めた4月頃にピッタリと曲が頼もしくハマっていた。ポップ寄りなB'zもいいけど久しぶりにガツンと力強い曲が来たなと。

★★★★☆

49th Don't Wanna Lie
2011年6月1日発売

映画『名探偵コナン 沈黙の15秒』主題歌。及びTVアニメ版OPとタブルタイアップという異例の抜擢がなされた。これは凄いというよりビーイングにもうアーティストストックが無かったのだろうかと…。「どんわならぁい♪どんわならぁい♪」で全部持っていくインパクト強大ミディアムB'zバラード。「僕と来たらごまかし続けもう何年経つだろう」とコナンを皮肉った意識しまくった歌詞も面白い。「イチブトゼンブ」以降のポップ寄り路線での好感触B'z鉄板王道ソング。だがその曲の印象と全く関係が無いところで、CDリリースでは総選挙で2週目も高めに出してきたAKB48にビビって2枚買うとバラードバージョンをプレゼントという急遽充て込んで1位獲得に(事務所が)必死になってしまったマイナスイメージも強く残ってしまった。あの頃からかな、O社始めチャートを追う事を虚しく感じるようになったのは…。

★★★★☆

50th GO FOR IT,BABY -キオクの山脈-
2012年4月4日発売

ペプシコーラCMソング。定期的にシングルカットされる売れ線を外した系ロック。今まで以上にバンドサウンドがラウドに鳴り響いて聴こえるのはTAKがグラミー賞を受賞した背景もあるのだろうか。というかCメロでいきなり歌いだしたりとマジでいつになくTAKノリノリである。ロックで悪くはないんだけども、これが(執筆時点で)1年以上前のラストシングルというのはちと寂しいなぁ。

★★★☆☆

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