AKB48 シングルレビュー

06年にデビューしたAKB48。秋葉原からデビューした地下アイドルが5年でミリオンヒットグループへと成長するとは誰も思っていなかっただろう。タイミングは早い気もするが、今回Pondaringさんから「同時レビューしよう」と声をかけてくださったので企画に乗っ取る形で。

インディーズ1st 桜の花びらたち
2006年2月1日発売

インディーズ発売からの実質デビュー曲。合唱の卒業ソングで1枚目からいきなり完成された名曲のような雰囲気。少しいきものがかりのデビュー曲に近いような感想が…。TBSの深夜ドラマとNTTドコモのCMタイアップが付いたとはいえ、このインディーズデビュー曲でいきなりのトップ10入り(10位)を達成したのは軽く衝撃的で、丁度オリコンの本誌を買おうかどうか悩んでいた頃だったので名前はこの頃から覚えていた。当時アイドルは死滅状態で(トップのモーニング娘。もトップだけど…な)、AKB48もいきなりヒットはしたものの秋葉原関連だしいち地下アイドルみたいな扱いだったけど、ここからトップの世代交代的なものは確かにあった。

★★★☆☆

インディーズ2nd スカート、ひらり
2006年6月7日発売

この曲でMステに初出演。ここで一気に畳み掛けていったような印象だった。曲の方は秋元康がおニャン子クラブでよくやってた(イメージ)「制服の裏側」的ラブソング。さすが作り込んでいるというか、凄くキャッチーで聴きやすい。結果的に次回作が全部持っていってしまうんだが、このインディーズ2曲ももっとメジャーで語り継がれてもいいような…。Mステのビデオは今でも持っていてチラホラ見たりしてるけど、当時は大島麻衣がリーダー格で高橋みなみ、前田敦子、中西里菜(脱退した後に改名してAV女優に転身したことで話題に…)、板野友美らが並ぶという構成だった。あっちゃんはさすがに今のような大物風格はないにせよ、前作でもセンターポジションだった高橋みなみへの期待は高かったんじゃないかと思えた。んで、当時黒髪ツインテールのロリ顔で印象よくなかった板野友美が、09年久々にTVで見たとき超スーパー茶髪ギャルへと変貌していてぶったまげた。全員黒髪なのが初々しいねぇ…。

★★★★☆

1st 会いたかった
2006年10月25日発売

メジャーデビュー。CD参加メンバーも一気に大増員し、秋元才加や大島優子が初参加となった。「会いたかった~♪×3 イェス!」が印象的な超爽やかアイドルポップソング。AKB48最大の代表曲として今でもテレビで歌われる機会が多く、07年の紅白初出場でも歌われた。聴いてて問答無用にテンションが上がるような曲調はアイドルソングの鑑。語り継がれるべきの名曲だと思う。しかし当時は某モーニングなグループにドはまってて、『歩いてる』に熱中してたので全然気にすらしてなかったけどね…!

★★★★☆

2nd 制服が邪魔をする
2007年1月31日発売

『スカート、ひらり』に続く、「制服の裏側」的ラブソング。あの時よりかなりダークな曲調になっていて、セクシー路線とも言われそうな感じ。サビは耳に残るけど、単純にこういうセクシーアイドル路線が苦手なのであまり聴いてない。このシングルでインディーズ1st以来にトップ10入りし、以降連続でトップ10入りしている。

★★☆☆☆

3rd 軽蔑していた愛情
2007年4月18日発売

連続で「制服の裏側」ダーク路線。ラブソングでなく、「いじめ自殺」という全シングル中最もハードな内容になっている。メジャーデビューから凄まじい路線連発だな秋元康!てか実際この頃は熱狂的ファンのみ応援の時代で、秋元康がこのけっこうガチで「女子高生の本音」なメッセージをいったいどの層に伝えたかったのかは引っ掛かる。この路線はシングルではこれで最後。

★☆☆☆☆

4th BINGO!
2007年7月18日発売

一転、アイドルポップスに回帰。「運命の人に巡り合えた」と歌う王道のアイドルラブソング。やっぱ個人的にはこういう曲の方が好き。時を同じくしてハロプロからAKBへ転向するファンも多くなったけどな!この曲はランキングで見かけてパッと「いいな!」と思ってたけど、何せこの頃は「女に 幸あれ」に熱心だったからな!Perfumeとか、他のアイドルにも注目するようになるのはもうちょっと後。今振り返ると純粋にアップテンポな超王道アイドルソングの名曲。一気に万人向けオーラも出てきたと感じる。ここからまゆゆ、ゆきりんが選抜に加入。メンバーも今らしく。

★★★★★

5th 僕の太陽
2007年8月8日発売

2ヶ月連続リリース。アニメ「デルトラクエスト」OPテーマ。当時ソニー所属だったのでそれらしく最初で最後のアニメタイアップ。連続でアイドルポップスで、前作よかったのにま~た同じような…?とか軽く思って当時スルー。今聴いてもそこまでピンと来なかったりする。今だったらアンダーガールズやC/Wでやりそうかな?チャートとしては連続でトップ10入りしていたが、デイリーチャートで初週最後2位から翌日50位へ転落という前代未聞の急落推移を果たしてしまう。ここから数年AKBは急落の代名詞の扱われ方だった。

★★★☆☆

6th 夕日を見ているか?
2007年10月31日発売

1stベスト盤への先行シングル。落ち着いたポップス調での応援歌。メロディーが悪く言えば地味だったので完全にスルーしていた(この頃は「みかん」にどっぷりだったからね!)んだが…今聴くと何この名曲度。こういう帰り道的なミディアムテンポはポップス路線のV6に通じるようなものもあるような(『太陽のあたる場所』的な)。派手ではないけど隠れた名曲枠。今から聴けばもっと好きになっていくかも。そしてこの年紅白に初出場したが、中川翔子とリア・ディゾンと併せて「アキバ枠」みたいな扱いで、出番自体かなり少なくて「誰?」状態だったけど、当時ドラマ「スワンの馬鹿!」で主人公上川隆也の娘役で出ていた前田敦子だけ把握。

★★★★☆

7th ロマンス、イラネ
2008年1月23日発売

打ち込みアイドル歌謡ナンバー。最近のハロプロがよくやるような路線の曲。あまりにベタベタすぎて、紅白の直後にこれは…なかったんじゃね…?(当時ハロプロばっか聴いてたから余計にそう思うのかも)1stベストの後に発売され、2ndベストには収録されず1stベストの完全版に追加収録されたのみだったので、かなり楽曲自体の印象が薄い。

★★☆☆☆

8th 桜の花びらたち2008
2008年2月27日発売

デビュー曲のリメイクリリース。紅白出場したとはいえ、デビューから2年でデビュー曲をリメイクというのは…。オケは恐らくそのままだがメンバーは08年仕様に変更されて、PVもちゃんと新録で作られた。だがしかし…発売当時ランダム封入のポスター44種をコンプリートしたらイベントへご招待!というトンデモ複数買わせ商法が独占禁止法に引っ掛かって即日で企画中止という逸話があり、なんでこのタイミングでリメイクをやったのかは未だに謎。

★★☆☆☆(曲そのものは名曲に違いないとして)

9th Baby! Baby! Baby!
2008年6月13日発売

配信限定シングル。2ndベストでCD化された程度だったのでかなり曲そのものの記憶が薄い。夏のウキウキアイドルポップス。C/Wでアンダーガールズあたりがやりそうな…路線かな。

★★☆☆☆

10th 大声ダイヤモンド
2008年10月23日発売

前々作を持ってソニーを離脱。キングレコードからの第1弾シングルとなった。ここからAKB48の急加速がスタート。握手会が加熱したといえ、初のトップ3入りを記録し、2週目も11位を獲得。10万枚に迫るロングヒットを叩き出した。ハイテンションな勢いの曲は圧巻。当時聴いたときはあまりの名曲ぶりにハロプロファンを貫いてた俺も衝撃が走った。次回作でAKBにはまってから当時TSUTAYAに入荷が無かったので、追ってシングルを購入した。AKB48で一番好きな曲。学園祭風のPVもいい!しかしセンターポジションは当時結成されたばかりのSKE48の松井珠理奈が大抜擢され、ジャケットでは松井一人がドンッと登場という仕様になってたけど…AKB48の作品としてそれはアリだったのか…。

★★★★★

11th 10年桜
2009年2月1日発売

アップテンポな卒業ソング。3年ぶりにMステに出演し、初の売上10万枚突破でブレイクの前兆となった曲。俺もそのMステでAKB48を初めてちゃんと見て、3年前との激変ぶりに驚き、一気にはまって初購入したというのは当時の日記にも書いたほど鮮烈。周りは「ハロプロの次はAKBかよ!」とか突っ込んでたもんだったが、この年末には…(『RIVER』に続く)。勢い溢れる、まさに予兆ともいえる一曲。特典のDVDもPVやメイキングまでかなり丁寧に作り込んで収録していて、どこかのハ●ープロジェ●トとは大違いでかなり好印象だった。

★★★★★

AKBアイドリング!!! チューしようぜ!
2009年4月1日発売

AKB48とフジテレビのアイドルユニットアイドリング!!!とのコラボシングル。両者のブレイク途上の勢いに乗せ初登場2位、当時の最高位を記録した。これも当時「10年桜」と併せて購入。気持ちよく突き抜ける直球アイドルポップ。当時はAKB48もアイドリング!!!もブレイクの波に同じく乗せていた…ように思えていたものの…今になってはどうしてここまでが…。

12th 涙サプライズ!
2009年7月1日発売

誕生日ソング。次のシングルのメンバーを決める「選抜総選挙」を実施したこともあり大きく売上を伸ばした。極上の誕生日おめでとうソングというか、この曲で出演したMステが丁度俺の誕生日だったということで印象深い(ついでに板野友美が1991年7月3日生で全く俺と一緒ということも併せて知った)一曲。以降、毎回レンタルに。

★★★★★

13th 言い訳Maybe
2009年8月26日発売

直球片思いアイドルポップ。デイリーでは断トツで1位を獲得したが、握手会などのイベントがかなり極小で急落し、週間1位をSMAPに譲るという一幕が見られた。サビはとにかく直球で気持ちいいんだけど、直球すぎて印象に残らなくて総選挙の結果の割にこれぇ?と思ってしまった。前後があまりに名曲すぎて、どうしても普通の一曲…。

★★★☆☆

14th RIVER
2009年10月21日発売

更に売上を伸ばし、断トツで初の1位を獲得した代表曲(と同時に店舗ごとの大量複数買わせ商法で急落推移して批判されまくったけど…)。冒頭のたかみなの掛け声がまさに大ブレイクの序章を思わせる、ロックテイストでかっこいい応援歌。この前後に合わせてクラスではAKB48の話題が当たり前になり、みんな洗脳されたようにAKBAKB言いまくるようになった(男子校だったのでらしいといえばらしい)。当時受験期だったので、そんな思い出と共にある印象の一曲。当時はクラスでは篠田麻里子が人気だったが、俺はまゆゆと指原を把握。一時買うほど波が来たのに覚えてるメンバーそれぐらいだったのでよくそれでかわしてたなぁ…。長年応援したモーニ●グ娘。は当時のシングルでついに見切りつけてファン脱落へ…。

★★★★☆

15th 桜の栞
2010年2月17日発売

まさかの合唱卒業ソングで話題に。「仰げば尊し」みたいにマジの合唱曲でJ-POPとして好きか嫌いかの次元で捉えられない曲であるが、これをそのままシングルで切る度胸は凄いと思う。丁度高校卒業式の時にリリースされて、記念だしどうせなら握手会行ってみっか!ってことで2度目の購入。…しかし3月いっぱい受験終わりで疲れてたので結局握手会には行かなかった…。

★★★★☆

16th ポニーテールとシュシュ
2010年5月26日発売

大ブレイク曲。2度目となるメンバー選抜総選挙を引っ提げて初動50万枚を突破する大ヒットとなった。この総選挙は度々メディアで取り上げられる大きな話題になり、本格的に大学でも男女構わずAKB48の話が当たり前になる時代が幕開け。チャートでも年末年始まで上位に居座り、最終的には70万枚を超えた。曲は王道の爽やかサマーアイドルポップ。この頃は渡り廊下走り隊が『アッカンベー橋』という怪曲が1位ヒット、「シュシュ」という意味がわからなかったのでまた変なタイトルかよとか思ってたら…あまりの直球名曲でぶったまげた。ELT『出逢った頃のように』を思わせるサマーポップでまさにキングオブJ-POPとも言える完成度。水着PVも眩しくて大好き。まさに無敵を感じる。

★★★★★

17th ヘビーローテーション
2010年8月18日発売

総選挙で1位になった大島優子が初めてセンターを獲得。前作を越える売上を叩き出し、80万枚を突破して数年間年間上位を独占していた嵐を追い抜く大ヒット。年間2位となった。キャッチーすぎて最初は何これ…と思ったけど、大ヒットしまくって徐々にはまって結局かなりリピート(まさにヘビーローテーション)しまくった。大島優子の元気キャラを生かしたようでかなり元気付けられる一曲。PVでは下着という衝撃の内容も話題になったが、女性監督・蜷川実花の手腕か、全くいやらしくなく爽やか可愛かったのが全盛期の追い風なのか。特にどっちかというと女子ウケしてたような。俺的には色々大満足だったとにかく圧巻でした。

★★★★★

18th Beginner
2010年10月27日発売

発売3日で年間1位に到達。まさかのこの時代にきてのミリオンセールスを記録する怪物級ヒットを飛ばした。『RIVER』を更に勢い増したようなロックナンバー。PVは現代への若者へのメッセージとしてバーチャル空間でメンバーが戦って潰されていくもので「過激すぎる」として規制をくらったが、「信じた道を進んでいけ」と歌う歌詞だけでもトップアイドルの曲としてはかなり大胆。パフォーマンスでは峰岸みなみがメガネをかけていたので可愛すぎて一気に好感度が上がった。

★★★★☆

19th チャンスの順番
2010年12月8日発売

じゃんけん総選挙で選ばれたメンバーが選抜。無名メンバーだった内田眞由美が初のセンターを飾り、小動物のようで保護してあげたくなるような可愛さでこれまたかなり注目のメンバーに。前田あっちゃん(15位)がかなり後ろで無名メンバーが集まったにも関わらず無敵の勢いで発売2週で年間8位に君臨した(C/Wは有名メンバー勢ぞろいで気合の入ったクリスマスソングだったけど)。曲はそのまま「チャンスは回ってくるよ!」(じゃんけんで選ばれた自分達に重ねて)的なキラキラポップソング。十分にいい曲だったけど2010年の気合いの異常な入れように比べれば物凄く普通だった…としか…。実際これ書くときもこのシングル忘れかけてたし。既に内田さんが一発屋になりかけているようで気が気でない。

★★★☆☆

20th 桜の木になろう
2006年2月16日発売

恒例となった桜ソング。PVでは「死」をテーマにした重たいバラードソングなのに、あっさり初動90万台出してミリオン突破。しかし重たすぎる上にPV見ても感動…というより、昔の仲間が成長する中一人あの頃のまま成仏できない松井珠里菜が可哀想にしか見えない俺は心が荒んでいるので若干スルー気味。AKB48の曲はPVあってだなぁとここで実感。

★★★☆☆

配信限定 誰かのために-What can I do for someone?-
2006年4月1日発売

インディーズ時代の作品で劇場公演アルバム『誰かのために』収録曲をリテイク。東日本大震災チャリティのため配信限定でシングルカットされた。チャリティでコアファン以外には全く知られていない曲だったにせよこれも配信週間1位を獲得する辺り今の勢いは相当に凄い。正にこのタイミングに合わせたかのような応援バラードソングで、シンプルながらはまる。今の流れで見るとたかみなのセンターは新鮮だった。