アルバムレビュー(改)
YUI
『FROM ME TO YOU』
YUI、1stアルバム。
No. タイトル 1. Merry・Go・Round 2. feel my soul 3. Ready to love 4. Swing of lie 5. LIFE 6. Blue wind 7. I can't say 8. Simply whie 9. Just my way 10. Tomorrow's way 11. I know 12. TOKYO 13. Spiral & Escape
2006年2月22日発売 ソニー 49分57秒 ★★★★☆ シングル「feel my soul」「Tomorrow's way」「LIFE」「TOKYO」、インディーズ時代の楽曲「I know」を収録。いきなり月9主題歌に抜擢されて大々的にデビューし、映画「HINOKIO」主題歌、アニメ「BLEACH」EDと怒涛のタイアップ展開となり、当時量産されたソニー新人歌手の中でも破格のプッシュが行われた。4th「TOKYO」は初めてタイアップ無しの楽曲勝負となり、デビューからほぼ丸1年で1stアルバムとなった。
決意の1stアルバム何故か2010年代になってからは「彼女にしたいアーティスト」系ランキングでよく上位になるほど可愛いイメージが強くなってしまったが、当時はかなり強い決意を持ったシリアスな弾き語りシンガーソングライターだった。「feel my soul」は1stから奇跡の名曲っぷりで、YUIをちゃんと初めて聞いた「LIFE」のもがきながら生きてる歌詞は当時中2の俺に衝撃的だったし、音楽への強い決意を歌った「TOKYO」も静かに圧巻。現実の厳しさに葛藤し、それでも諦めずに音楽に人生を懸けてきたシリアスな思いがひしひしと伝わってくる。なので「Ready to love」みたいにラブソングっぽい曲はあってもあんまり明るい雰囲気ではないというか、全作品を振り返っても一際重たい空気が漂っている。
ビジュアルイメージも小柄不器用な感じだったし、ちょっと不意に触れたら崩れてしまいそうな存在感がそこにあった。なのでYUIを彼女にしたい!嫁!とか言ってる類のファンには重すぎて敬遠どころの騒ぎじゃないかもしれないけど、夢を追うためのがむしゃらさ、不安、辛さを隠さず描いた真っ直ぐさは今でも多くの夢を追い求める若者の心に響く1作だと思う。
後期は真逆な優しい方向性になっていったし、今にしてみれば大人達によるイメージ戦略が働いてたんだろうけど、やっぱり発売当時中2だった俺にとってYUIのこの力強いイメージはずっと消えない。多感な中学時代に聴いたアルバムとしても思い出深い1作。ちょうど世代がジャストピンポイントだったなぁ…。