アルバム感想(仮)
KAT-TUN
『Best of KAT-TUN』

KAT-TUN、1stオリジナルアルバム。

No. タイトル
1. SHE SAID...
2. NEVER AGAIN
3. I LIKE IT
4. MIRACLE
5. BLUE TUESDAY
6. RHODESIA
7. GOLD
8. WILDS OF MY HEART
9. SPECIAL HAPPINESS
10. ONE ON ONE
11. BUTTERFLY
12. RUSH OF LIGHT
13. ハルカナ約束
14. PRECIOUS ONE
15. Real Face #1
2006年3月22日発売 J-One Records 68分50秒 ★★★☆☆

シングル「Real Face」と同時発売。ジュニア時代に歌っていた楽曲、デビュー曲「Real Face」の松本孝弘がリアレンジした別バージョン、加えて新曲7曲を収録。ジュニア時代の楽曲を抑えたという意味でのベストであり、本当のベスト盤ではないので注意。当時とにかく待望のKAT-TUNデビューだったので、ミリオンに到達したシングルと併せて1位を獲得。ただ、流石にシングル以上の勢いにはならずにアルバムは60万台に留まった。

 

「Real Face #1」がかっこいい

KinKi Kidsでいう「A album」のような立ち位置のアルバム。というか05年に亀梨&赤西が「ごくせん2」に出演して一躍脚光を浴び、1年間焦らせてからの待望デビューという形を取ったため、97年に同じく待望デビューだったKinKi Kidsを明らかに意識したものと思われる。05年にMステで代表曲ばりの扱いで披露された「SHE SAID...」筆頭に、当時Mステやジャニーズ番組中心に音楽番組で歌っていたジュニア時代の曲は概ね抑えられる。KAT-TUNの不良イメージに合わせたロック路線、スピード感溢れる爽快ポップ、バラード、JOKER田中氏のラップ&中丸のボイパを活かしたヒップホップ…と多彩な曲が勢揃いしていてかなりかっこいいし、00年代以降無難なポップ系路線ばかり目立ったジャニーズグループの中でも、不良ロックという確固たる軸を持っていて一際個性的で良かった。

ただ、明確なタイアップ曲はなく、正直な話ファン以外にまで浸透した曲は皆無。「ごくせん2」の挿入歌でMステ等ではKAT-TUNとして歌っていた「絆」は元々亀梨のソロ曲であり、「青春アミーゴ」のC/Wで亀梨がソロでCD化させてしまった為未収録。そして肝心の「Real Face #1」はギターロック風にリアレンジされた別バージョンなので、コアファンは待望だったものの、「ごくせん」で気になった程度のリスナーにとってはピンとこない曲ばかりなのは否めないという…。その辺りは90年代デビュー前、大ヒットドラマに立て続けに主演して主題歌を歌った上でデビューしたKinKi Kidsと大きく違う。というかKinKi Kidsだけ格が違いすぎるんだけど、それを抜きにしても05年ブレイク→1年後デビューでそのスタイルを継ぐには急ごしらえすぎたとは思った。

しかも更に新曲を7つも新録したのでだいぶもっさりした作りになってしまった。これにより1stアルバムにして70分近い大作になっちゃったのは勿体なかった。、松本孝弘が直々にリアレンジを手掛けた「Real Face #1」はただただワイルドでかっこいいの一言で聴きごたえはたっぷりだったんだけども、それだけにもうちょっとにわかにも聞きやすい曲数にしてほしかったな…と思ってしまった。

執筆:2016/12/08

戻る