アルバム感想(仮)
DEEN
『pray』

DEEN、5thオリジナルアルバム。

No. タイトル
1. magic
2. Birthday eve ~誰よりも早い愛の歌~
3. i...
4. 空もハレルヤ
5. We can change the world
6. Call your name
7. I say to my love
8. Take your hands
9. Tears on Earth
10. Break it!
11. Bridge ~愛の言葉 愛の力~
12. もみの木の下で…
Bonus Track(初回盤のみ)
13. Christmas time <a capella>
2002年11月20日発売 BMGファンハウス 55分41秒 ★★★★☆

シングル「Birthday eve ~誰よりも早い愛の歌~」、C/W「Break it!」を収録。また、「Bridge ~愛の言葉 愛の力~」は日韓合同制作のコンピレーションアルバムに収録された楽曲ノリアレンジ(打ち込みだったのを生演奏に)で、「Christmas time <a capella>」はクラシックシリーズシングル曲のアカペラバージョン。

 

DEEN's AORスタート!

1曲目から「ジャラッジャラッジャッジャッジャ~ジャンッ!」とホーンサウンドが鳴り響いて、一瞬違うバンドのアルバムを手に取ってしまったのかと最初困惑したが、れっきとしたDEENのアルバムである。一切告知無しにAORと呼ばれる音楽に一挙転向。サウンド重視のまったりした曲ばかりになり、流れに身を委ねるような池森さんのボーカルも今までとは全然異なる。提供曲がまた増えたのもあり、当時のDEENファンにも衝撃が走ったようでまだ残っていたファンが一気に今作で離れたとも言われているが…。2年も間が空いて普通のビーイング系だと解散間違いなしの状況でこうなるとそりゃそうなるか…っていう。俺も10代に聞いた頃は「ジャラッジャラッジャッジャッジャ~ジャンッ!」のインパクト以外は薄味なアルバムだなと思っていた。

しかし、歳を重ねて改めて聴いてみるとこの心地よさが良い。東京女子流とかサウンド重視のアーティストをよく聴くようになった影響かな。そもそもDEENは20年目を越えても一度も路線を完全固定させていない変化に富んだバンドであり、それを踏まえて聴くと今作もちゃんとしたDEENの一部だと感じられるし、今では聴き応えたっぷりの名盤。曲作りの段階でもメンバーが事務所サイドの作家の提供曲から自分たちで曲を選んでいったというのも風通しが良くて自由な雰囲気の1作である。「ジャラッジャラッジャッジャッジャ~ジャンッ!」(だんだんと耳に浸食)と敢えて派手なイントロで攻めたのも、DEENが「変わった」ことを印象付けさせるためにも良かったのかも。

ただ、「見上げてごらん夜空の星を」をカバーするも同じ年に平井堅に完全に持っていかれ、BEGINとコラボした瞬間「涙そうそう」でBEGINだけ大ブレイク。AORに目覚めた今作の時期も00年代前半で、世間はCHEMISTRYやEXILE、R&B転向でブレイクした平井堅…などR&B全盛期だったのに、02年ではもう旬が過ぎていて(細かくはR&Bとジャンル違うけど)再ブレイクの機会をすっかり逃したDEENの間の悪さは天下一品だと思う…。

執筆:2016/11/10

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