アルバムレビュー(改)
back number
『あとのまつり』

back number、1stオリジナルアルバム。

No. タイトル
1. stay with me
2. あとのうた
3. 浮ついた気持ち
4. 風の強い日
5. tender
6. そのドレスちょっと待った
7. おまえさん
8. ハイスクールガール
9. Life
10. fallman
11. march
12. いつか忘れてしまっても
2010年6月2日発売 idOLSMITH recordings 64分41秒
(無音+Secret track含む)
★★★☆☆

back number初のフルアルバムにしてインディーズ時代最後のアルバム。1stミニアルバム『逃した魚』以来1年4ヶ月ぶりのリリースとなったが、後にボーカルの清水依与吏がMステで「取られた彼女を振り向かせたくて『逃した魚』というアルバムを出したけど、その1年後に『あとのまつり』というアルバムを出した」と小噺を披露した。アルバムのラストには無音を挟んだのちに、メンバー3人が恋愛シチュエーショントークを繰り広げるボーナストラックが収録されている。

 

一点の隙も無いラブソングギターロックアルバム

シンプルな3ピースサウンドによるギターロックアルバム。といってもこのバンドの特色はラブソング尽くしな歌詞世界にあり、「彼女をバンドマンに取られてもう一度振り向かせるためにバンドを結成した」という経緯のバンドだけあって全曲ラブソングという、ラブソングバンドっぷりがインディーズ時代から確立されている。しかし特に今作では別れた彼女への未練やどうしようもない片想いを引きずった重い曲がとにかく多いので、ハッピーな曲があんまり無い案外女々しいヘビーな作風だったり…。力作揃いなので聴き応えはあるけど、逆に力作が揃いすぎてて一休みポイントが無くて、その女々しい恋愛観に疲れてしまう危険もあるので注意。

ただメロディーが良いのがやっぱりイイ。作風のせいで妙にこってり感があるものの、この時代から一つ抜けた曲があれば一発で売れそうな一点の隙も無いメロディーメイカーっぷりが健在。やっぱり曲の良さはこの頃から高かったんだなと思った。「あとのうた」「ハイスクールガール」のポップ感は妙に病みつきになった。メジャー以降はストリングスを導入していくので、シンプルな佇まいのサウンドでback numberを味わえる1作とも言えるかも。ラブソングばかりという世界観が好き嫌いを分けると思うけど、良いメロディーをギターロックで聞かせてくれる好きなバンドである。

 

ボーナストラックは3人によるトークが6分ほど展開。1つの女の子のセリフから恋愛シチュエーションを想像し、各々の持論を和気藹々と語り合うという本編からは想像できないほど陽気な空気が炸裂している。なんかこの良い歳したお兄さん達がどうでもいいことで熱く語り合っている感じが面白すぎてツボにハマった。このボーナストラックだけでバンドに対する親近感が一気に沸いた。やっぱり色々と知ってみないとわからないもんなんだなぁ…。

 

戻る