アルバム感想(仮)
Aqua Timez
『うたい去りし花』

Aqua Timez、3rdオリジナルアルバム。

No. タイトル
1. BIRtH
2. Velonica
3. 別れの詩 -still connected-
4.
5. STAY GOLD
6. 夏のかけら
7. ほんとはね
8. massigura
9. 月、昇る
10. この星に
11. きらきら -original ver.-
12. One
13. うたい去りし花
14. Re:Birth
Bonus Track
15. 虹 -Album ver.-
2009年3月11日発売 Epic Records 69分45秒 ★★★★☆

シングル「夏のかけら」「虹」「Velonica」「STAY GOLD」、配信限定シングル及びC/W「ほんとはね」を収録。ドラマ『ごくせん3』主題歌の「虹」がデビュー曲に次ぐ2番売上、紅白にも出演する08年を代表するヒットになり、アニメ『BLEACH』OPテーマの「Velonica」もあと少しでO社1位になりそうなヒットを記録したが、アルバムの売上は「虹」はおろか前作売上よりダウンしてしまった。現時点でオリジナルでは最後の10万枚越えヒット作。

 

ここまでが初期Aqua Timez

「虹」が大ヒットして人気面も楽曲面も一つのピークを迎えたというか、以降は「Velonica」でシングルでは初めてロックで硬派なAqua Timezの一面を見せたり、良メロでもロックサウンドが今まで以上に前面に出た「STAY GOLD」だったり、シングルでもキャッチー良メロ勝負だけじゃなくてこれまでより多彩な面を表に出すようになった。それぐらい余裕ができてバンドとして成熟してきた時期のアルバムで、シングルは前半で一気に放出されてしまうものの、後半のアルバム曲も負けじと聴き応えがあり全体的な満足度は高い。少なくとも69分という長さは感じなかった軽やかであり力強さもあるバランスの良いJ-POPロックな1作。シングル連発の中に交じる「別れの詩 -still connected-」はシングルに劣らない名曲。「虹 -album version-」は謎のサンバアレンジ(?)でこれいらなかったんじゃ…って思ったけど…。

「虹」のようなキャッチーさ重視、一曲入魂!なシングル曲は今作以降かなり減るようになり、ベスト盤を挟んで方向性も少しずつ変えていくので、今作までがAqua Timez初期3部作という感じもする。ヒット期のアルバムでは「Aqua Timezはポップでキャッチーなだけじゃない」ことを一番ナチュラルに感じることができると思う。しかし「虹」が大ヒットしながらここまで売れなかったのは…。やっぱりこの手のバンドは本人達よりも曲にファンがつくというか、コアなファンが多くできるほどバンド自体は個性的に見られないので、J-POP王道ど真ん中って難しいよなぁ…と改めて思った。

執筆:2017/2/22

戻る