アルバム感想(仮)
Aqua Timez
『ダレカの地上絵』
Aqua Timez、2ndオリジナルアルバム。
No. タイトル 1. 一億の塵 2. 世界で一番小さな海よ 3. しおり 4. 小さな掌 5. B with U 6. ピボット 7. 白昼夢(interlude) 8. 秋の下で 9. ALONES 10. 乱気流 11. ガーネット 12. 僕の場所 ~evergreen~ Bonus Track 13. 夢風船 (yurikago version) 14~28無音のちSecret Track 29. hana ~Everlastring~
2007年11月21日発売 Epic Records 64分17秒 ★★★★☆ シングル「しおり」「ALONES」「小さな掌」収録。C/Wの「夢風船」もリアレンジバージョンとしてボーナストラックに、また初回盤には更に約1分の無音のちにシークレットトラックが収録されている。シークレットトラックの曲名はブックレットでは明かされておらず、祖母への想いを歌った曲だからかPCでCD取り込んだ際に読み込まれるデータベースには「おばあちゃん」というタイトルで登録されているが、実際の曲名は「hana ~Everlasting~」なので注意。
前作よりブラッシュアップ自ら「最高傑作」と称した力作。前作では良メロポップとミクスチャーロックが剥離していた印象があったけど、シングルの「しおり」「ALONES」では良メロさとロックバンドとしてのかっこよさが合わさり、「小さな掌」も大切な人への感謝を歌ったバラードながらバンドサウンドをしっかりと押し出しているので、アルバム全体でもバンドの持ち味の温もりとかっこよさが以前より混じり合うようになった。なので、けっこう詰め込んだ前作よりも曲がさらっと頭に入ってきて、それぞれの曲調が違和感なく混じって並ぶようになったと思う。相変わらずシングルのキャッチーさが突出していて、アルバム曲には「ピボット」「乱気流」といったイメージと離れた尖ったミクスチャーロック系の曲もあるが、基本的に歌詞を伝えることに重きを置いた曲ばかりでそこはブレていない。Aqua Timez風にロックバンドとしての進化を感じる1作だった。
しかし…後にメンバーが「世間の評価が全く変わらなかった」と語るように、売上はむしろ前作の1/3まで減少。当時の俺がそうだったように、シングルを聴くだけでいいやと判断したリスナーは多かったんだろうな…。中高生ウケ路線だし、シングル全て好きだった当時高校1年の俺なら今作もハマっていただろうに、勿体なかった。
執筆:2017/2/19