アルバムレビュー(改)
藍坊主
『フォレストーン』

ロックバンド・藍坊主4thアルバム。

No. タイトル
1. Esto
2. ハローグッバイ
3. コイントス
4. ピースサイン
5. 僕は狂ってなどいない
6. 空を作りたくなかった
7. 羽化の月(FORESTONE Ver.)
8. 不滅の太陽
9. 深く潜れ
10. 言葉の森
11. アジサイ
2008年4月2日発売 TOY'S FACTORY 45分57秒 ★★★★☆

シングル「ハローグッバイ」「コイントス」「空を作りたくなかった」「言葉の森」、C/W「羽化の月」を収録。前作から2年ぶりのアルバムリリースになった。

 

「青春パンク」と深化する世界観、これまでの軌跡が融合

「Esto」「ハローグッバイ」から早々に今までに無く突き抜ける疾走感。「ハローグッバイ」は1stアルバム期に出ていれば確実に青春パンク一発屋になってただろうなと思うぐらいに最高傑作級の勢いがあり、シンプルにラブアンドピースで陽気な「ピースサイン」といい、青春路線を抜け出してやや難解な方向性に向かっていたところでその2つが融合したような完成度に感動してしまった。しかしその直後にはタイトルからして衝撃的な「僕は狂ってなどいない」複雑怪奇な一面を見せ始め、シングルの「空を作りたくなかった」まで哲学的すぎて聞く人を選ぶ世界観。アルバムを聞き進めるごとに森に迷い込んでしまったような感覚になるというか。そういう雰囲気に持っていきながら「言葉の森」は割とキャッチーで、サウンドも今まで以上に凝っているので最後まで聴き応えバッチリで飽きない。

かつての青春パンク路線と前作で深化した哲学的な路線を上手くミックスして完成させた傑作アレな言い方をすれば、青春期をこじらせて中二病になっちゃったような…これまでの藍坊主のヒストリーがあるからこそ響くアルバムだと思う。

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