アルバム感想(仮)
藍坊主
『ココーノ』

藍坊主、7thオリジナルアルバム。

No. タイトル
1. バタフライ
2. ネガティブフィードバック
3. 春の覚書
4. 賢者の忘れ物
5. ラブミーテンダー
6. あなたと空と星と夜明け
7. 向日葵
8. エチカ
9. 鬼火
10. チョコレート
11. 夏の銀景
12. 霧がかかる街
13. 星霜、誘う
2014年12月10日発売 TOY'S FACTORY 55分59秒 ★★★★☆

シングル「星霜、誘う」、配信限定シングル「向日葵」「夏の銀景」を収録。初回限定盤はB面集を収録した特典CD、MV集を収録したDVDが付属。翌年には自主レーベルの設立を発表してインディーズへ戻ったため、結果的にメジャーでは最後のアルバムとなった。

 

高値安定な1作

ここ数作に比べて難解でわかりにくい曲が減り、けっこう直球な歌詞やメロディーが並ぶかなりストレートな1作。前作と今作の間にミニアルバム2枚を出して実験的な方向性はやりきったのか、『ミズカネ』『ノクティルカ』で今まで歌ってきた青春については境地に達したのか。今一度メロディーの良さに立ち返ったというか、初期のアルバムを思い返すとそうそう藍坊主ってこういうバンドだったよなってちょっぴり思い出した。それらにこれまで積み上げてきた力強さも加わり、「バタフライ」のようにリスナーに力強く語りかける逞しさも感じるようになった。まあわかりやすい作風に戻った分、深化していた空気が急に抜けて物足りなさはどこか感じるものの…。もうデビュー12年目で安定を得て落ち着いていても全くおかしくない活動年数なわけで。今までのような込み上げる衝動や叫びは正直感じなくなったけど、迷いや葛藤を経てここまで辿り着いたと思うと感慨深いし、余裕が生まれたとも考えられるし、そういう意味でも高値安定で満足な1作である。そんな辿り着いた先の今作がメジャー最後ってのは若干出来すぎ

執筆:2017/2/14

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