アルバムレビュー(改)
藍坊主
『藍坊主』

ロックバンド・藍坊主のインディーズ1stアルバム。

01. 未知の道の道
02. プリティパンクミュージック
03. 未成年
04. セミのぬけがら
05. 僕には何もないけど…
06. 武器よサラバ
07. ランランラン
08. セブンスター
09. しあわせどんぐり
10. 夏草
11. 両手を広げて
2003年2月12日発売 BUDDY 47分44秒 ★★★☆☆
キャリア唯一のインディーズアルバム。99年に結成。自主制作盤をリリースして活動しているうちに現在の所属事務所GOOD-DAYに声をかけられ、当時制作していたフルアルバムを事務所の元で全国流通盤として改めて作り直したのが今作らしい。
 
藍坊主の原点、王道ど真ん中の青春パンク
青春パンクが若さ全開で炸裂。寸分の狂いもなく、当時175Rやロードオブメジャーがやっていたような10代青春ど真ん中ミュージック。ラブソングや後の藍坊主に見られる哲学的な作風は一切無く、人生への葛藤や応援、メッセージを前向きに歌ったストレートな曲で占められている。03年といえば青春パンクバンド全盛期だったので、正直その波に乗ってブレイクしててもおかしくない勢いのひたむきな曲がズラリしていて驚くが、2011年ベスト以降の藍坊主を聴いてからこっちへ行くと「うおぉ…すげぇ若ぇなぁ…」と一瞬引いてしまったりも…。「ホタル」で号泣してからいきなり1曲目から「ぼ~くっから♪アレ~を取ったらっ♪」とかほのぼの陽気に歌われたらそりゃ別の意味で驚くぜ。「ハローグッバイ」ならともかく、「ホタル」「星のすみか」からこれを手に取ったらちょっとひっくり返るんじゃなかろうか。
まあその波で仮にブレイクして青春パンク一発になっていたら今の作風や人気は無かったと思うけども。今の別物と言えるほど逞しく深いロックバンドっぷりを見ると、ああまさに原点で「若気の至り」なアルバムだったんだなぁとじんわり来る。そういう意味でも眩しいし、藍坊主のヒストリーと共にある作品なのかも。アップテンポ一色なわけではなく「しあわせどんぐり」のような葛藤バラードだったり、「未成年」ではサビで大合唱したりと青春パンクなりにそれなりに幅広く、この頃からキャッチーさが絶品だし。佐々木健太の張り上げる力強いボーカルは確かに心にじわっと入ってくる。
 

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