アルバムレビュー(改) 第0019回
大塚愛
『LOVE JAM』
女性シンガーソングライター、大塚愛の2ndアルバム。
No. タイトル 1 スーパーマン 2 Happy days 3 Strawberry Jam 4 大好きだよ。 5 扇子 6 妄想チョップ 7 ポンポン 8 ふたつ星記念日 9 金魚花火 10 黒毛和牛上塩タン焼735円 11 フレンズ
2004年11月17日発売 avex trax 44分43秒 ★★☆☆☆ 1stアルバムから間髪を入れず、8ヶ月というペースで発表。8ヶ月というペースでシングルを3作出してタイアップ曲も他に数曲作っているのも凄いが、年末商戦に合わせるべくかかなりの急ピッチでアルバムが出来上がった。
「スーパーマン」から大塚愛史上最高にノリノリな「Happy days」に流れるという勢い直球アルバム。「Strawberry Jam」や「ふたつ星記念日」のようなまったりソングや「扇子」みたいなバンドテイストのミディアムもあるけど、シングルも楽曲性とは別にブレイク真っ盛りシーズンということもあってか、とにかく何も考えず駆け抜ける勢いみたいなものを感じる。「ポンポン」なんてそのフレーズで曲の大半を駆け抜ける無意味さの極地。そんなノリノリなアルバムであるが、裏を返すとそんな急スピードで作ったアルバムなので何だか余裕が無く忙しないという印象もあり、制作やプロモーションにライブで忙殺されていたのは間違いなかったろう当時、しっかりと作品を作る時間はあったのだろうか…と心配にもなった。実際どうだったんだろうか?
シングルが素晴らしいのは勿論のこと、後にリアレンジされる「黒毛和牛上塩タン焼735円」はふんわりした癒し系路線でこっちはこっちで劣らず良い味。「Strawberry Jam」は当時CMで大量OAされていたので思い入れある曲である。「フレンズ」はDVDドラマとして当時主演した『東京フレンズ』主題歌。そんな感じで個々では好きな曲がけっこうあるので外せないんだけども、アルバム全体では主役不在感が強く、まとまりがないというか何より忙しない印象が今聴いても何とも言えないな…。まあ駆け抜ける勢いを体現するには十分なパワーではあると思うけど。ORANGE RANGEも『musiQ』をメガヒットさせていたし、2組とも2004年はそんな冷静な感想は跳ね除けるほどのフレッシュパワーがあった。