アルバムレビュー(改) 第0017回
大塚愛
『AIO PUNCH』

女性シンガーソングライター、大塚愛初のセルフカバーミニアルバム。また、2010年の歌手活動休止以来、久しぶりのアルバムリリースである。

No. タイトル
1 さくらんぼ -カクテル-
2 CHU-LIP -蜂蜜酒-
3 甘えんぼ -レモンティ-
4 羽ありたまご -エクスプレッソ-
5 PEACH -ウォッカ-
6 5:09a.m. -トニック-
2014年3月26日発売 avex trax 24分36秒 ★★★☆☆

『LOVE is BEST』以来4年半ぶり…は買ってないから『LOVE LETTER』以来の5年3ヶ月ぶりか…のニューアルバム!これまでのシングル代表曲4曲+3rdアルバム『LOVE COOK』収録2曲のリアレンジセルフカバーを収録。

全ての楽曲のサブタイトルにお酒の名前が入っているように大人になった大塚愛を表した一作…なんだが、これまた大胆にリアレンジが施されており、かっなりオシャレな雰囲気に。一曲目から生演奏によるジャジーな「さくらんぼ」が炸裂し、大塚愛史上でもトップクラスな弾けソングだった「CHU-LIP」にも濃度濃く漂うボサノバ感。あれだけぴゅあぴゅあはーとな片想いソングだった「甘えんぼ」も既に結婚された30代女性の舞い踊るような魅惑満開。どれも洒落たバーのBGMでかかってそうな楽曲性で、世間一般的なアイドルシンガーソングライターな大塚愛のイメージは見事にばっさり覆されている。新しい大塚愛をアピールするために敢えて元々がキュートだった曲を選んだんだろうと思われる。『LOVE COOK』から2曲も選ばれたのはそれほど本人の思い入れが強い作品だったのか何なのか。「5:09a.m.」一つだけ打ち込み全開エレクトロ風アレンジなのも気になるが、全体的に非常に心地よい大人なアルバム

なのでかつての可愛く弾けていた大塚愛を懐かしんで手に取ると割と食われると思う。ただ30代になった大塚愛がいつまでも可愛く「もーいっかいっ!」って歌い続けるのもちょっと無理がありそうでこのリフレッシュはいずれは必要だったのと、この路線は作品を振り返ると、休止前最後のオリジナルアルバム『LOVE LETTER』で提示した生演奏中心の王道ポップス路線の延長線そのもの。あれからこの路線での復活を待ち望んでいたファンにとっては待望の作品と思えるかもしれない。そんなファンが多くいるとは思えな…

いずれにせよ復活後の大塚愛の変化の片鱗は大いに味わえる一作。あの頃がこれから新しいステージに突入…というところで結婚休止…だったので、ようやく、その続きからリスタートしてくれた彼女のこれからの復活に期待したい。

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