アルバムレビュー(改) 第0015回
奥華子
『うたかた』

女性シンガーソングライター、奥華子の5thオリジナルアルバム。

No. タイトル
1 泡沫
2 初恋
3 フェイク
4
5 逢いたいときに逢えない
6 トランプ
7 ガラスの花
8 木漏れ日の中で
9 虹の見える明日へ
10 秘密の宝物
11 パズル
12 春夏秋冬
13 元気でいてね
14 rebirth
2010年8月18日発売 ポニーキャニオン 70分0秒 ★★★☆☆

シングル+C/Wを4曲収録。シングル「初恋」は発売前年のライブ初披露から着うたや歌詞サイト、SNSでタイアップキャンペーンを組んで宣伝しまくった成果もあってか初のO社ランキングトップ10入りを達成。続くシングル「ガラスの花」と「花」「rebirth」は人気ゲームシリーズ『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX』タイアップがつき、アルバムでも初のトップ10入りを果たした。

1曲目からサビでガツンと盛り上がるシリアスバラード「泡沫」で開幕。前作と同じく70分越えのパワーアルバムだが、前作以上に力強さが前面に出ていて重たい…というよりかは一段逞しくなった奥華子を聴くことができる。テイルズタイアップの3曲はファンタジーっぽいポップ路線、「パズル」重厚なギターサウンドが鳴り響くダークなロック路線で今までと違う一面を覗かせているし、増えたストリングスやバンド路線に交じって「秘密の宝物」といったキーボードオンリー路線も健在。どんどんとヒットミュージックな音色を入れつつも、キーボード弾き語りという自らの絶対的な個性を未だ欠かさせていないのはかなりバランスが取れていて非常に素晴らしいことだと思う。「初恋」がストリングス重厚な上に砂糖菓子十個詰め込んだようなもったり失恋ソングだったので正直このアルバムは最初ヘビィで苦手な印象があったんだが…聴いているうちにこの力強さの方が上回ってきた。ただ今回アップテンポな「フェイク」でも割とシリアスな作風で70分続くので、力作揃いといえば力作揃いなものの、1回通した後は1曲1曲分けた方が聴きやすい…かも。

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