アルバムレビュー(改) 第0012回
奥華子
『TIME NOTE』

女性シンガーソングライター、奥華子の2ndオリジナルアルバム。06年の夏に公開されたアニメ映画『時をかける少女』の主題歌、挿入歌に起用された「ガーネット」「変わらないもの」で一躍脚光を浴び、知名度を伸ばしていた。

No. タイトル
1 さよならの記憶
2 僕が生まれた街
3 ガーネット(弾き語り)
4 プレゼント
5
6 小さな星
7 恋の天気予報
8 君のためならできること
9 変わらないもの
10 桜並木
11 タイムカード
2007年3月21日発売 ポニーキャニオン 56分12秒 ★★★★☆

奥華子を手に取り始めたのはこのアルバムから。TV放送された『時をかける少女』を観て、「変わらないもの」「ガーネット」が気になって…というお察しの典型パターンですね、ハイ。

「ガーネット(弾き語り)」とわざわざ弾き語りアレンジを一曲だけ強調しているもののこの曲だけが弾き語りなわけではなく、基本的に前作に続いてキーボード弾き語りポップスアルバム。そこから楽曲によってはストリングスや管楽器アレンジが増えて多彩さが増した印象。楽曲もポップさやキャッチーさがより深くなったことに併せて王道ポップスミュージシャンとしての存在感を更に発揮している。「ガーネット」「変わらないもの」はヒットしただけあって歴代の奥華子楽曲でマイベストトップクラスの紛うことなき名曲、軽快で幸せハッピーな恋する女の子ソング「恋の天気予報」、辛い現実の中で故郷を想う泣き望郷ソング「僕が生まれた街」は特に記憶に残った。ただ「小さな星」は…曲自体は好きなんだけど、全面をストリングスが覆いかぶさっているようなアレンジになってしまい、肝心のキーボードがまるで聞こえないというオーバーストリングスアレンジでこのアルバムからは浮いてしまっているような…。「ガーネット」の次のシングル曲だったので気合いを入れていたんだろうか…。そんな些細な不安要素は除くと以前から変わらずにアップテンポから切ないバラードまで安心して軽快に聴かせ、56分という適度な長さもヒット曲を収録したオリジナルアルバムとしてはわかりやすく入りやすい入門編になっていると思う。入口にするなら1stアルバムか今作を迷わず選ぶべし。

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