アルバムレビュー(改) 第0007回
WhiteFlame
『月と星の虚構空間』
ニコニコ動画でのボーカロイド楽曲投稿で知られる同人音楽サークルWhiteFlameによるオリジナルアルバム。また歌入りアルバムであるがWhiteFlameにはボーカルはおらず、同じくニコニコ動画で活躍している女性歌い手の96猫をボーカルに招いている。
No. タイトル 1 流れ星 2 SritTheWrist 3 サヨナラ 4 Find out 5 三日月姫 6 下限の月 7 カンタレラ / WhiteFlame×斉藤ネコ
2013年1月9日発売 HPQ 27分44秒 ★★★★☆ WhiteFlameといえば別名「黒うさP」。「千本桜」で有名ですね。ボーカロイド系アーティストにもっと手を出してみたいと思いつつ、生身の女性ボーカルとのコラボ作品ということで視聴してみたらビビッと来て手に取ってみた次第。因みにHPQとはGACKTやLUNA SEAといったヴィジュアル系が主に所属し、ボーカロイド作品も積極的にリリースしているエイベックス系のレーベルである。作詞作曲はWhiteFlame、編曲は倉内達矢が一貫して手掛けている。
この方々の代表作「千本桜」「ACUTE」がキャッチーなロック曲という印象が強いまま、1曲目の「流れ星」からヒット曲心をグッと掴むキャッチーさが展開。やや攻撃的ながらどこか洗練されたようなサウンドはまさにエイベックスという感じがする。この手の「聴き終えるまで終始かっこよかった」と思えるスッキリ綺麗なロックサウンド、WhiteFlameの楽曲とかなり相性が合っている。案外両者ともエイベックス提供作家の仲間入りをすればかなりハマるんじゃないかとも思うが…。96猫のクールで売れ線ロックな女性ボーカルもイイ。「下弦の月」は和風で壮大なスケールを堪能できる歌い上げ系バラード、最後はVOCALOIDでの代表作「カンタレラ」をピアノアレンジのカバーで締めくくる。ストリングスに拘らない様々な音を取り入れての壮大なアレンジ、(90年代後半好きなら特に)ヒット曲心をくすぐられる楽曲が1作通して勢揃いしている力作。ここ数年のJ-POPサウンドの底力を見たような気がする。