アルバムレビュー(改) 第0005回
小松未可子
『THEE Futures』
女性声優・小松未可子の1stオリジナルアルバム。アルバム自体は前年のミニアルバム『cosmic EXPO』(1st「Black Holy」はこちらに収録)以来2枚目。2ndシングルの「冷たい夜に、一人」とC/W「夏至の果実」を収録。
No. タイトル 1 THEE Futures 2 Baby DayZ 3 情熱 4 ソラウミ 5 冷たい部屋、一人 6 夏至の果実 Sunset Cherry Mix 7 サーチライト 8 アラブルトラベル 9 Starry Rally 10 アンブレラ 11 LAKE LIKE LIFE bonus track 12 おすしのうた
2013年2月13日発売 スターチャイルド 55分20秒 ★★★★☆ 通称みかこし、小松未可子といえば『モーレツ宇宙海賊』の茉莉香ちゃん!『遊戯王ZEXAL』の小鳥ちゃん!小鳥ちゃんといえば遊戯王歴代屈指のヒロイン。
何故主題歌は全く関係ないあの2人だったのか…。…ではなく。どこかフェチ心をくすぐられる声のヒロインをやらせれば右に出る者のいないみかこしの初の本格的な音楽作品である。全編的にダンサブルな路線が展開。若手女性声優に多いアイドルっぽい要素は全く無いといって過言ではなく、だからといって歌のうまさを存分にアピールしていく歌姫タイプでもなく(しかし歌は上手い)、軽めのエレクトロダンス系とか同性に好かれそうなクールな雰囲気を纏っている。なのでここ最近の女性声優の歌手デビューの流れで聴くとけっこう割を食うんじゃないかなと思う。ボーナストラックの一見ネタソングになりそうな「おすしのうた」も、あくまでクールな飾らない歌声と爽快なメロディーで「うに、いか、あなご、ぶり♪」と歌われるのはかなりシュールだ…。いきなりインパクトのあるエレクトロサウンドで始まる「THEE Futures」はかっこよさ満点、「情熱」ではラテンテイストに走り、「ソラウミ」ではバンドサウンドでしっとりと聴かせて。angela提供の厳かな「冷たい夜に、一人」でワンアクセント。前半は打ち込み、サックスを取り入れたオシャレなバンドサウンドが光る「アラブルトラベル」からはバンドサウンドが目立つように…と、ダンサブル路線を軸にトータルで飽きさせない作りになっているのがイイ。55分通してスッキリと聴かせるアルバムである。流行りの声優の音楽作品としてはなかなかに無い隙間ジャンルだとは思うが、適度に売れ線なのでポップス好きなら聴いてごめん無理!ってことはないんじゃなかろうか。みかこしの声が好きな人なら迷わず聴くべし。