相棒 -劇場版Ⅳ-
首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断

2017年公開。劇場版第4弾。4代目相棒の冠城(反町隆史)にとって初の劇場版。Season13からサブレギュラー出演している社美彌子(仲間由紀恵)も初出演した他、3作連続で神戸尊(及川光博)が続投。公開時期に放送中だったSeason15では映画公開前に前後編SPを放送しており、そこで現れた山崎警備局長(菅原大吉)も登場している。また、Season14で鑑識係から警察学校教官に異動した米沢(六角精児)は今作では外部からの協力キャラクターに変わっている。元GTOや元ヤンクミにとっては各々かつての劇場版を遥か上回る大ヒットに…。

国際犯罪組織バースのリーダー・レイブンを追っている国連犯罪情報事務局の元理事、マーク・リュウ(鹿賀丈史)は日本に来日し、美彌子の計らいで特命係と共に捜査を行っていたが、部下のモリス(ダンテ・カーヴァー)を射殺されてしまう。そしてその後には外務省のホームページがレイブンと思われる何者かにハッキングされ、国家に身代金約9億円を要求する動画が公開された。そこには7年前の英国日本領事館集団毒殺事件で唯一生き残り誘拐された少女、鷺沢瑛里佳(山口まゆ)の姿が映っており、「7年前と同じように要求を無視すれば、大勢の人々が見守る中で日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージが。7年前に一度国に見捨てられた少女とは?レイブンの正体とは?テロに屈しない国家を創り上げようとする国の思惑が交錯する中、特命係は事件を阻止するために独自で捜査に動き出す。

 

国家テロや戦争をテーマにした事件は初代から劇場版お馴染みの展開なんだけども、今回は重厚に事件を描きつつも重すぎず、前向きに感じられる終わり方を迎え、、狡い幹部の一部も最後には痛い目を見るので後味が比較的良くて面白かった。ただ、あんな小物っぽい登場の仕方ならTVドラマで山崎のエピソードを前後編でわざわざ放送しなくてもよかったような…。鹿賀丈史も流石の存在感。テロの標的として東京オリンピック要素も取り入れながら、映画らしく派手に魅せるところは派手に魅せ、適度にコミカルなシーンも入れ、なおかつ事件の推理や平和慣れした日本へのメッセージなど重厚に描くところはしっかり描くというバランスは歴代の映画で一番良かったと思う。娯楽作として十二分に楽しめる1作

しかし、今回外部キャラとして登場した米沢は…。TVドラマではSeason14で突然警察学校に異動になって降板。冠城が登場初期に米沢を利用して出し抜いた事があり冠城とは険悪な仲になっていたが、それから何故か右京にも煙たい態度を取るようになって特命係そのものと距離を取るように。なので、今まで協力者だったのに今回急に嫌々巻き込まれたようなキャラクターになってしまい、改めて困惑してしまった。なんでああなったんだろ…。

逆に神戸は今回も特命係の代わりに捜査本部へ潜入する安定の最強相棒っぷり。海外へ旅立った亀山や逮捕された甲斐と違って警察庁に異動しただけなので、いざという時には今でも特命係に協力し、歴代相棒卒業者では唯一今も右京と交流があるポジション。気が付けば亀山が卒業して8年。今や「相棒」=神戸尊になったなぁ…。あと最初は某国スパイの関係者として描かれていた美彌子もすっかり普通に協力者になったよね。

これがしばらく後に見返して★5の感想になるかはわからないけど、これまでの劇場版の中ではもう一度見返したくなったし、決定版級に一番見応えがあったと思う。予想以上には面白かった

★★★★★

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