金田一少年の事件簿 File.11
「タロット山荘殺人事件」

あらすじ
ある日突然一の元にペンションへの招待状が届いた。その相手は…失踪したアイドル速水玲香?!下心ありながら駆けつける一に同行する美雪、そして玲香を追うスクープ記者やファンも玲香の父・雄一郎が経営する「タロット山荘」に集まるが、一夜帰宅が不可能になり全員が山荘に泊まることになるが、そこに渦巻いたのは不吉な事件と過去の影。そこで何かを嗅ぎ付けた伊丹記者が雄一郎を脅迫。激情した雄一郎はとっさに伊丹を殺害してしまい…?しかしそれを目撃した"影の脅迫者"によって命令されたのは次なる殺人。一にも見破られ窮地に陥れられるが、その次に待っていたのは思いもよらぬ展開――――!?

登場人物

 

「雪夜叉」に続く速水玲香登場作。かなり初っ端から美雪がいない間のヒロインをやった玲香ちゃんの過去をじっくり掘り下げて、2番ヒロインとして美雪とのライバル関係を演出した。これ以降玲香ちゃんがメインで登場する話には常に過去エピソードが明かされる展開がついてくるが、一挙に父親だと思っていた人物は誘拐殺人犯(改心していたものの)でマネージャーが実の兄で殺人犯→生死不明、しかも事務所社長は玲香の体を狙って…っていきなりショッキングな…。思い返すと玲香ちゃんすげータフ だと思うわ。

事件そのものは過去の犯罪を脅迫された速水雄一郎が伊丹を殺し、第2の殺人に手を染めていくんだけど、それが"影の脅迫者"による工作で一がそれを二重で追い詰めるというシナリオが面白い。辻健二と諏訪さんは本当に部外者だったのかよ…というのは別にいいとして。真犯人のトラウマエピソードもインパクト。そしてじっくり玲香ちゃんエピソード掘り下げ回だったとはいえ、前作に続いて美雪との恋模様を描き、"影の脅迫者"に襲われて雪山に置き去りにされ罪を擦り付けられた一の生還を信じ続けて探しに…というストーリーはやはり秀逸。そこで玲香が美雪と一の絆の深さを知って、それを気遣った美雪がラスト一時ライバルを休戦して玲香に譲り、「あきらめないわ」で締めるラブコメ展開も引きがあった。中学時代に観たアニメ版ではごっそりとカットされまくってたので原作の質の重さに数年越しに驚いた。

 

また、原作初回・小説版と2度「オペラ座館」に登場した結城英作医師が再び登場。検死や説明役、アリバイトリック要員にもなりもう容疑者カウントされないサブレギュラー扱いされていたが、残念ながらこれが最後の登場に…。アニドラ、原作でこの人がいるのといないのではやっぱり話の印象が違う。あとこれは完全に余談だけど、いつか結城さんが実写化されたら是非水谷豊さんにやってほしい。あと今度雪山で遭難する事件があったら辻さんに再登場してほしい。

★★★★☆

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